
資料写真(画像著作権はCFP視覚中国所有のため転載禁止)
浙江省寧波市鎮海区の歴史ある村落では、外国人留学生が中国伝統衣装を身にまとい、拓本作りなど無形文化遺産の手工芸を没入型で体験していた。安徽省黄山市黟県宏村では、夜を迎え、ノルウェーからの観光客が魚の形をしたランタン「魚灯」を手に持ち、ランタン行列の輪に加わり、伝統の中に実際に身を置いて、東洋の美学を肌で感じていた。海外のSNSでは、ハッシュタグ「hanfu」(中国伝統衣装「漢服」のローマ字表記)がついた投稿の閲覧数が億単位になり、漢服を生産する山東省菏沢市曹県では、同県だけで漢服の年間輸出額が1000万ドル(1ドルは約159.3円)に達した。
インバウンド市場が力強く成長するにつれ、無形文化遺産の手工芸、中国風の衣服・装飾品を媒体とする「国潮」(中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)のクリエイティブグッズと没入型文化体験が急速に人気を集めるようになった。

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東洋の文化的伝統と現代のデザインが融合した「China Chic」と呼ばれる優れた製品が、世界で人気を呼んでいるのはなぜなのか。
安徽省黄山市屯渓区の屯渓老街にある霊犀無形文化遺産館では、テクノロジーの力を借りて、これまで置物くらいしか用途のなかった漆器の限界を打ち破り、ネックレスやブローチ、イヤリング・ピアスなどの小物から、おしゃれなバッグや自動車用インテリア用品などの比較的大きな製品まで、種類も豊富な様々な製品を生み出した。業界の枠を超えてアパレルブランドや化粧品ブランドとのコラボも進め、トレンドの最前線に躍り出ている。
甘粛省慶陽市西峰区にある劉蘭芳香包工坊の展示ホールでは、外国人観光客数人が展示台を取り囲み、翡翠色のちまき型香袋を手に取ってじっくり眺めていた。慶陽市伝統の香袋刺繍は省級無形文化遺産に指定されている。その代表的な継承者であり、甘粛省の工芸美術の名工でもある劉蘭芳さんは、「外国人観光客は干支や(疾走する馬が空飛ぶツバメをとらえた銅像)『馬踏飛燕』などのわかりやすい中国モチーフを特に好むが、若者は単に古いものは買わない。外国人消費者の心を動かそうと思うなら、製品をより実用的で、身につけやすく、コーディネートしやすいものにし、現代の生活により溶け込むものにしなければならない」と話す。そのために工夫を重ねてきた劉さんは、「無形文化遺産は文化的な中身と実用性を兼ね備えて初めて、海外の人々が日常生活の中で中国文化の温もりを感じられ、小さな香袋が『文化の使者』となって海を越えることが可能になる」との見方を示した。
漢服の海外輸出も増加している。その背後には、高効率で協働する整った産業チェーンの存在がある。中国のオリジナル漢服産業の中核的生産地である山東省菏沢市の曹県には、漢服メーカーが2822社あり、ネット店舗が約1万5000社集まり、染色、刺繍、縫製など全プロセスをカバーする整った現代型産業チェーンがあり、7日あればデザインから出荷までのプロセスが完了する。
山東曹県晟名服飾有限公司の責任者の侯国棟さんは、「アパレルメーカーはすでに受け身のOEM(相手先ブランド製造)モデルから脱皮して、デザインに世界のファッショントレンドの要素を組み込み、伝統的なモチーフにシンプルなカッティングや日常的なコーディネートといったニーズを取り入れ、絶えず新たな需要を引き出している。今年は半ばを過ぎたところだが、注文はすでに数倍に増えている」と述べた。
インバウンドが盛り上がり、伝統的な逸品が絶えず新たな活力を獲得し、「China Chic」の消費が勢いよく伸びている。こうして、より多くの外国人が普段使いの製品や自らの体験を通して、温かみがあり洗練された東洋の魅力を少しずつ理解するようになっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2026年8月12日