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伐採禁止25年で植被率が80%まで回復した内蒙古自治区の賀蘭山

14:26, November 13, 2025 

パトロールする森林保護員。

パトロールする森林保護員。

「母なる山」と呼ばれる内蒙古(内モンゴル)自治区阿拉善(アルシャー)盟の賀蘭山を守るために、1999年から、2万800ヘクタールの禁牧区が設置され、放牧も全面的に禁止された。また、2000年には天然林保護プロジェクトが全面的に始動し、保護区内の天然林の伐採と販売が固く禁じられた。さらに関連する生態系を回復させるためにその地域の人々を移住させる「生態移住」措置が牧畜民1043世帯に対して秩序に基づき推進され、賀蘭山における放牧で長年生計を立てていた牧畜民4300人が、伝統的な生産スタイルをやめて、家畜23万頭(匹)も林区から移動した。こうした措置を経て、人間の生産活動による生態系破壊のチェーンが、根源から断ち切られた。

禁牧政策の実施に伴い、葛海春さん一家は、先祖代々暮らしてきた山林を後にした。今では森林保護員として、以前家畜を放牧していた草原を毎日パトロールしている。

そんな葛さんは取材に対して、「子供の頃、賀蘭山で家畜を放牧して生計を立てていた父親と一緒に山に行っていた。あの頃は羊が山の草を食べつくしていた。小さな松の木や低木は全く回復できない状態だった。伐採と放牧が禁じられて以降、森林は年々蘇り、小さな松の木や低木も生えてくるようになった。当時、移住に納得できず、先祖代々暮らし、家畜を放牧してきた場所を離れたくないと思う牧畜民もいたが、今は木々が青々と茂る山を見て、皆その時の決定が正しかったと納得している」とした。

賀蘭山の標高2800メートルの頂上付近に設置された赤外線カメラはこれまで、岩の周りを歩くユキヒョウを何度も捉えてきた。保護区管理局野生動物植物保護科の職員は取材に対して、「ユキヒョウ3-4頭が生息していることを確認している。カメラには、ユキヒョウが縄張りを示すためにマーキングしている様子も捉えている」と説明する。

25年間にわたる賀蘭山における伐採禁止と育林を通して、荒山には緑の木々が茂るようになった。最新のモニタリングデータによると、保護区が設置される前と比べて、森林面積は約2万1427ヘクタールから3万8800ヘクタールに拡大し、森林率は31.6%から57.3%に上昇し、森林・草原の植被率は80%に達し、人間と自然が調和よく共生する美しい景色が広がるようになっている。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年11月13日