最近、タイの首相官邸の玄関先で、これまでと違った光景が見られるようになった。アヌティン・チャーンウィーラクン首相が出勤や外出の際に乗る専用車が、これまでのロールス・ロイスから中国の比亜迪(BYD)の新エネルギー自動車に変わったのだ。
タイ首相専用車の変化の背後には、経済的な事情がある。
原油価格高騰、企業の運営コスト増大、国民の購買力の明らかな低下などが、回復プロセスにあるタイ経済にとって予想外の大きな圧力となり、経済回復への道をより困難にしたのだ。
こうした背景の中、アヌティン首相が中国ブランドの新エネ車に乗り換えたことからは、明確な政策メッセージが読み取れる。エネルギーの難局に直面する今、ガソリン車から新エネ車への転換が問題解決の重要なカギの1つになる、ということだ。
タイだけではなく、東南アジアや欧州、中南米、中東に至るまで、高騰する原油価格によって世界規模で消費者の新エネ車志向が強くなっている。
メディアが伝えたフィリピン・マニラにある中国新エネ車ディーラーの販売員の話では、「3月には店内の予約台数が急増し、2週間でその前の1ヶ月分に達した」という。
欧州では、今年1-2月に多くの中国ブランドで新エネ車販売台数が前年同期に比べて大幅に増加した。ブラジルでは今年2月、中国製新エネ車がブラジル自動車小売ランキングで初めてトップに立った。
オーストラリア連邦自動車工業会が発表したデータでも、今年2月には、中国車のオーストラリアでの販売台数が2万2362台に達した。中国は初めてオーストラリアの月度新車輸入元国トップとなり、日本が1998年以来長年にわたりキープしてきた1位の座を奪った。
米国国民にとって、中国製新エネ車は「大好きなのに手に入らない」優良製品だ。ロイター社が最近ある調査データを引用して伝えたところでは、今後2年以内に自動車購入予定のある米国の回答者の約半数が、中国車のコスパについて「非常に優れている」または「極めて優れている」との見方を示した。しかし、政策的な制限があり、米国内で中国製新エネ車を購入することは難しい。
中国の新エネ車はこれまでの「ニッチな選択肢」から「実力派」へと変わり、海外市場で台頭した。その背後には、単なる価格的な優位性だけでなく、エネルギーの自給自足とグリーントランスフォーメーションの加速という各国の切迫したニーズがある。
技術的ブレークスルーを遂げるメイド・イン・チャイナが時代の変化と出会った時、市場は実際の行動によってその選択を示すだろう。(編集KS)
「人民網日本語版」2026年4月8日