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評論:戦火に人類共通の文明の記憶を壊させてはならない

16:38, April 13, 2026 

「彼らが破壊したものは、彼らの国よりも古い」ということの言葉は、詩の一節ではなく、米国とイスラエルの攻撃を受けるイランのあるネットユーザーの嘆きの声だ。人民日報が伝えた。

「バラの園」とも言われるゴレスターン宮殿は、テヘラン最古の王宮で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されている。しかし、最近、米国とイスラエルに攻撃され、深刻な被害を受けた。今年2月に改修が終わったばかりの「鏡の間」も戦火に巻き込まれてしまった。再び修復するには、少なくとも15年はかかるという。

損傷を受けたのは、建物だけではない。近代のイラン社会の変遷を見守ってきたゴレスターン宮殿は、ペルシャの文明と東洋・西洋文化が交わることで生まれたきらびやかな結晶で、長い歴史と現代文化の魂がそこに宿っている。イランが3月中旬に発表した情報によると、米国とイスラエルの攻撃で、少なくとも56ヶ所の歴史文化財に深刻な被害が出ている。これは、人類の文明の記憶に刻まれてしまった傷の数でもある。

また、ユネスコは事前に、ゴレスターン宮殿を含む世界遺産リストに登録されている遺跡などの地理座標を、関係する全ての当事者に伝達して、文明のための「安全地帯」を設定しようと、保護する努力をしたにも関わらず、心痛む結果となってしまった。覇権争いの野心の前に、文明に対する尊敬の念は失われてしまった。博物館は閉鎖され、所蔵品は移転され、文化財は封じ込めて保管されている。戦争に直面している中東諸国は、前代未聞の「文化の撤去」を強いられているのだ。

ユネスコは1954年、「武力紛争の際の文化財の保護に関する条約」を採択した。戦争中であっても、文明に対する最低限の尊敬の念を保ち続けなければならないというのが、その中心となっている精神であることは明白だ。それは、現代文明が超えてはいけないレッドラインであるはずだ。しかし、採択から70年以上が経った今、条約は依然として有効であるにもかかわらず、一部の国は意図的にレッドラインを超え、それを「絵に描いた餅」にしている。

このような問題が起きたのは今回が初めてではない。イラク戦争中、国立博物館は略奪に遭い、図書館は焼き払われ、バビロン遺跡は軍事拠点にされた。2020年初め、米国は、文化施設を攻撃のターゲットにすると威嚇したことがあり、今はそれが現実になってしまった。

破壊されたのは世界遺産だけではない。世界の秩序を下支えしている「目に見えぬ基盤」も深刻な打撃を受けている。国際ルールに対する信頼、平和裏な対話の基礎、人類共通の記憶の保護のメカニズムが破壊されると、それを修復するのに、一体どれほどの時間がかかるのだろうか?

破壊された文明は、公正な歴史の証言者にもなる。ゴレスターン宮殿の傷跡は将来、「2026年の春、悠久の歴史を誇るイランの土地が戦禍に見舞われ、その火の粉が宝のような人類文明にまで及ぶという悲劇が起きた」と、無言のうちに叫び続けることになるだろう。文化遺産破壊は、人類共通の記憶の破壊でもあるのだ。(編集KN)

「人民網日本語版」2026年4月13日