
写真提供・毎日経済新聞(撮影・段思瑶)
2026北京国際モーターショーが4月24日、北京で開幕した。同モーターショーには、日本車に代わる自動車を仕入れるため、多くの中東の業者が集まっている。
「毎日経済新聞」の報道によると、米国・イスラエル・イランをめぐる戦争が原因で、ホルムズ海峡の通航が滞るようになり、日系自動車メーカーの中東向け輸出が大きな影響を受けている。トヨタやマツダ、スバルなどは相次いで減産に追い込まれ、中東向けの輸出を停止せざるを得ないケースまで生じている。ある中東のディーラーは「2ヶ月待ったものの、日本車が届かず、在庫がゼロになってしまった」としている。
緊急事態に対応するべく、アラブ首長国連邦やサウジアラビア、インドなどの貿易業者は、仕入れリストを直ちに調整し、日本車に代わる自動車を仕入れようと北京モーターショーに集まっている。
サウジアラビアの自動車のディーラー・ムサさんは奇瑞汽車の展示エリアで、「リヤドで経営している店では、トヨタのランドクルーザーが1ヶ月以上届かず、クライアントが待ちきれずに、隣の中国ブランドの自動車を購入してしまった。そのため今回、北京に来た。店の展示スペースにずらりと並べるための中国の自動車を見つけたい」とした。
広州汽車や小米汽車、理想汽車、長安汽車などの展示エリアでも、同様の光景が見られた。各ブランドの商談エリアには、さまざまな人種の海外のディーラーが座っており、翻訳機能付きイヤホンや名刺入れなどがあちらこちらで見られた。理想汽車のスタッフは取材に対して、「早朝にオープンしてから現在までに、海外のクライアント十数組が訪れた。現地市場の調査・研究報告を持って、専属エージェントの交渉をするためにやってきたクライアントもいた」とする。
ホルムズ海峡が封鎖されて、サプライチェーンにも大きな影響が及び、生産ラインが停止している。トヨタは、日本で生産する中東向け車種に関し、3月に2万台、4月に1万8000台を減産したことを明らかにしている。また、日産の九州工場は約1200台減産し、マツダは5月末までに中東向け車種の生産を一時停止することを決めている。
日系ブランドやドイツ高級ブランドにとっては、中東市場の基盤に揺らぎが生じている一方、中国の自動車メーカーにとっては、それが逆に突破口となっている。ドバイやリヤド、ドーハなどでは、中国ブランドの車の販売が、目に見えるほどのスピードで伸びている。同じくサウジアラビアのリヤドから来たアブドゥッラーさんは、トヨタと長安汽車のディーラーをしているといい、今は展示スペースのほとんどを長安汽車の車が占めているという。「トヨタの自動車が入ってこなくなってしまい、すぐに売り切れてしまった。一方、長安汽車の『深藍S05』は、入って来ると売れ、入って来ると売れという状況」とする。
そして、「中国ブランドの自動車は同じランクの日本車や韓国車よりも20-40%安い。それに、リーズナブルな価格の車種でもパノラマサンルーフが付いていて、サウジアラビアの若者の間で人気となっている」とした。
中東だけでなく、他の国のディーラーも北京モーターショーに押し寄せている。「上汽大通汽車」の国際部の責任者は、「北京モーターショーが開幕した24日、スペインやイタリア、中東、アフリカなどの海外の代理業者6組が訪れ、いずれも代理販売の意欲がとても高かった」とした。
2026北京モーターショーの展示館にあるVIPホールや会議室では、意思決定を行っているグループがいた。その決定内容は、契約数などではなく、今後5年、ひいてはさらに先の将来を見据えた「駒の配置」だ。
BMWグループのオリバー・ツィプセ会長、フォルクスワーゲングループのオリバー・ブルーメ取締役会会長など、世界の自動車メーカーのトップが2026北京モーターショー前後に北京を訪問している。それは、ビジネスのための定期訪問の一環ではなく、世界の自動車産業の主導権の重心が東へと移動していることをダイレクトに示す動きだ。
4月21日、北京モーターショー2026のメディアナイトにおいて、フォルクスワーゲンのオリバー会長は、スポットライトを浴びながら、「技術がこれほど速いスピードで進歩し、競争がこれほど激しく、ユーザーのニーズがこれほど早く変化している場所は中国以外にない」と、珍しく気分を高揚させながら話し、一呼吸置いてから、「中国は、自動車業界にとってまるでトレーニングジムのようだ」と的確で力強い例えをしてみせた。
カナダの自動車部品メーカー・マグナ・インターナショナルの呉珍・中国エリア総裁は取材に対して、「中国のスマート化と電気化はすでに先頭を走っている。そして、多くの技術が中国で発表されている。我々は今、従来の『In China,for China(中国で、中国のために)』ではなく、『In China,for Global(中国で、世界のために)』を成し遂げることができるようになっている。中国市場で商業化され成熟した製品と技術の案が、世界の他の地域やクライアントへと広がっている」と語った。
その背後では、世界の自動車メーカー、及び部品のサプライヤーの間で中国市場の役割に対する見方に、「中国はもはや世界戦略を実行する場所ではなく、世界戦略が生まれる場所へと変化している」という根本的な変化が生じている。(編集KN)
「人民網日本語版」2026年4月29日