中国の4大伝統祝日の一つである端午節(端午の節句)は2009年に、中国で初めて世界無形文化遺産に登録された伝統祝日で、毎年旧暦5月5日に祝う。端午節は、昔の賢人を偲び、平安と幸福、健康を祈る祝日で、2000年以上の歴史を誇り、中国で代々伝えられてきた文化的な風習だ。
端午節(今年は6月19日)に合わせて、中国各地で大規模な民俗行事が次々と開催されている。例えば、貴州省銅仁市碧江区では盛大なドラゴンボートパレードが、広東省仏山市の村・畳滘では独特でエキサイティングなドラゴンボートのドリフトが、仏山市順徳区では近未来感あふれる「サイバードラゴンボート」イベントが相次いで開催された。中国の伝統的なスタイル「国風」と無形文化遺産の特色を兼ね備えた端午節の文化クリエイティブグッズの消費は盛り上がりを見せ、端午節に合わせた3連休(19‐21日)の海外旅行の人気も高まり続けている。

歴史を感じながら近代的なムードも楽しむこともできる端午節には、昔の人の生活の知恵や国・家族を思う気持ちが詰まっているほか、新鮮味のある要素が加えられて、活力も漂わせている。
端午節の起源
端午節の起源には複数の説があるものの、愛国詩人・屈原を記念する祝日であるという説が最も広く知られている。
中国戦国時代の楚国の愛国詩人だった屈原は、中傷されて濡れ衣を着せられ、楚から追放されてしまった。国を一心に思う屈原は、追放中に秦の軍の攻撃を受けて、楚の首都が陥落したことを知り、旧暦5月5日に、悲しみと憤りを抱き汨羅江に身を投げて自殺した。現地の人たちは、彼の体が魚やエビに傷付けられることがないようにと、先を争って船を出して、遺体を探したり、魚やエビが食べるようにと、もち米で作ったおにぎりを川に投げ込んだりした。こうした行いが時を経て、現在の端午節のドラゴンボートレースやちまきを食べる風習へと発展していったとされている。
端午節が近付き、ドラゴンボートレース開催で盛り上がる各地


【ドラゴンボートパレード】貴州省銅仁市碧江区を流れる錦江河では6月14日、2026年中国伝統のドラゴンボートレース・ドラゴンボートパレード民俗行事が開催。伝統的なドラゴンボートや画舫船(屋形船)、烏篷船、カヤックなど約200艇・艘が錦江河に大集合した。両岸に集まった数万人の市民や観光客が盛大な民俗行事を心行くまで楽しんだ。
【ドラゴンボートのドリフト】広東省仏山市の村・畳滘を流れる水路は細くて、カーブが多く、数百年以上にわたって、村民はこの水路でドラゴンボートレースを漕いできた。ドラゴンボートが引き波を残しながら猛スピードでカーブに突入する。その速度とボートの急カーブはカーレースのドリフトを彷彿させる。「ドラゴンボートドリフト」は、畳滘のドラゴンボートレースの代名詞にもなっており、毎年、端午節前後になると、30-40人の漕手を乗せたドラゴンボートが細い水路でドリフトして急カーブを曲がり、ドリフトレースを見ているような圧巻のシーンが広がる。
【ド派手な「サイバードラゴンボート」が登場】6月16日、仏山市順徳区容桂街道竜華大涌南区コミュニティでは、カラフルなネオンでデコレーションされた華やかなドラゴンボート20艇が一堂に会し、斬新すぎる「サイバードラゴンボート」ナイトツアーが実施された。通常のスピードを争うレースと異なり、同地のドラゴンボートは「美しさ」を競う。プログラミングLEDライトで飾られた龍の頭や尾、さらにはレーザー光線が近未来感を漂わせていた。美しさを競い合った後、DJブースからノリノリな音楽が流れ始めると、ドラゴンボートが水上のダンスフロアとなり、盛り上がりは最高潮に達した。
端午節のセレモニー感満載!国潮の文化クリエイティブグッズが大ヒット商品に
端午節が近付き、中国各地はお祝いムードが高まり、消費市場も活況を呈している。各種ちまきのほか、5色の糸で編んだ「五彩縄」、香袋といった端午節関連のグッズも売れ行き好調となっている。浙江省義烏市にある世界最大規模の日用雑貨などの商品集積地である義烏国際商貿城では、中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド国潮の文化クリエイティブグッズの販売も佳境を迎えている。

例年と比べると、今年の端午節関連のグッズは国潮や無形文化遺産の特徴が際立っており、消費者が文化的質感を追求したり、国風の美学をリスペクトしたりする新たなトレンドにもぴったりマッチしている。なかでも、宋錦(絹織物)を用いたシリーズ商品が市場で爆発的人気となっている。事業者の趙天宇さんによると、「宋錦を用いた新商品は、発売したばかりであるものの、すでに十数万個売れた」という。
端午節連休のインバウンド旅行予約は前年同期の7倍以上に

端午節(今年は6月19日)が近づき、6月19日から21日までの3連休の旅行予約がピークを迎えている。中国のオンライン旅行予約プラットフォーム(OTA)の飛猪(Fliggy)が9日に発表した報告書「2026年端午節連休旅行バロメーター」によると、今年の同連休は海外旅行ニーズが増加を続けている。現時点で、航空券、ホテルを含む海外旅行の予約件数は同64%増加しており、人気目的地は韓国、タイ、マレーシア、インドネシア、オーストラリアなどだ。これと同時に、インバウンドの予約も高い増加率を維持しており、現時点で、同期間のインバウンド旅行予約件数は前年同期より6倍以上増加している。
端午節風習の一覧
【ドラゴンボートレース】太鼓手の太鼓のリズムに合わせて、数十人の漕手が力を合わせて漕ぐと、龍の頭を付けた船がしぶきを上げながら、猛スピードで進む。一致団結し、先を争って勇敢に奮闘する精神を表すと同時に、風雨順時や国の安泰を願う思いがそこに込められている。現在、ドラゴンボートレースは全国的な伝統行事となっており、湖南省汨羅市、湖北省秭帰県、広東省東莞市などで開催されるレースが特に有名だ。

【ちまきを食べる】笹や葦などの葉に、もち米を詰め、三角錐などの形に包み上げるちまきは,地域によって使う食材や作り方も異なる。例えば、南方エリアでは、しょっぱい味のちまきが好まれ、肉類やアヒルの塩漬け卵の黄身「咸蛋黄」、魚介類などを具にしている。一方、北方エリアでは、甘くて、モチモチとした食感のちまきが好まれ、ナツメ、こしあん、ハスの実などを具にしている。甘いちまきも、しょっぱいちまきも、どれも美味しく、人々の舌を楽しませてくれる。
【ヨモギやショウブを玄関に飾る】端午節の日の早朝に、中国の人々はヨモギやショウブを摘み取って束ね、玄関の両側や窓に飾る。ヨモギは虫よけとなり、ショウブは剣に似ているため、昔の人は「厄払いをして、家を守る」と信じていた。
現代の科学では、ヨモギやショウブには、揮発性のエッセンシャルオイルが含まれており、虫除けや殺菌、空気を浄化する作用があることが分かっている。ヨモギやショウブを飾る風習には、昔の人々のヘルスケアの知恵が詰まっていることが分かる。

【香袋をぶら下げる】香袋は、カラフルな絹で作られ、中にはヨモギやチョウジといった生薬が入れられる。端午節に香袋を下げる風習には、魔よけや病気よけ、そして幸福を願う思いが込められている。
子供が香袋を下げると、虫除けになるほか、心を落ち着けて寝付きやすくなる。また、大人が香袋をぶら下げると、オシャレな装飾品となるほか、夏特有の体のだるさを和らげることができ、伝統的なヘルスケアグッズになっている。
端午節はすでに単なる祝日ではなく、そこには、中国人の昔の賢人に思いを馳せ、平安や健康を願う思いが込められ、さらには一致団結して奮闘し、生活を愛する民族文化という意味が込められた、代々伝わる人間味ある中国伝統の祝日となっている。
「人民網日本語版」2026年6月18日
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