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大学の教壇から田畑へ ある駐村書記の1日

16:27, June 29, 2026 

李全生さん(51)は、中国に数十万人いる駐村第一書記の一人だ。そんな李さんは2024年初めに、北京外国語大学から北京市密雲区東邵渠鎮東邵渠村に在籍出向した。人民網が伝えた。

北京市密雲区東邵渠鎮中心小学校で取材に応じる李全生さん(撮影・常沙)。

北京市密雲区東邵渠鎮中心小学校で取材に応じる李全生さん(撮影・常沙)。

李さんの1日は、まず東邵渠鎮中心小学校で始まる。

東邵渠鎮中心小学校で児童に角觝を教える李全生さん(撮影・彭昱凱)。

東邵渠鎮中心小学校で児童に角觝を教える李全生さん(撮影・彭昱凱)。

北京外国語大学の体育教員である李さんは、授業で「角觝」を教えて20年以上になる。角觝とは、中国式レスリングの古称で中華民族伝統スポーツの一種だ。李さんは数年前にはハンガリーやポーランドといった国に赴き、海外の学生に中国伝統のレスリング文化を教えたこともある。村に駐在するようになって以降、李さんは東邵渠鎮中心小学校で、角觝を教えるようになった。「この村の子供たちは、以前はとても恥ずかしがりやだったが、角觝の練習をするようになって、どんどん明るくなった」と話しながら、児童たちに温かい眼差しを向けていた。

英語の絵本を読む東邵渠鎮中心小学校の2年生の児童たち(撮影・常沙)。

英語の絵本を読む東邵渠鎮中心小学校の2年生の児童たち(撮影・常沙)。

角觝の授業を行う教室の近くには図書室があり、十数人の児童が、英語の本を真剣に読んでいた。これらの本は李さんが北京外国語大学に連絡し、寄贈してもらったものだ。

東邵渠鎮中心小学校の郭紅艶副校長は、「都市と農村の格差としてまず挙げるとしたら、それは視野だ。李書記は、先進的な教育理念や資源を村にもたらし、農村の子供たちがさらに遠くの世界を見ることができるようにしてくれた」と話す。

授業が終わり、児童たちの元を離れた李さんは、足早に村にあるスーパーに行き、魚や豆腐を購入。それを持って、一人暮らしの高齢者である刁淑芳さん(81)を訪ねた。

一人暮らしの刁淑芳さんに昼食を作り、一緒に食べる李全生さん(撮影・彭昱凱)。

一人暮らしの刁淑芳さんに昼食を作り、一緒に食べる李全生さん(撮影・彭昱凱)。

東邵渠村には、刁さんのような一人暮らしの高齢者が少なくない。李さんはこうした高齢者たちの移動に関する問題に頭を悩ませていた。そして複数回にわたる戸別訪問で様々な意見を集めた上で、李さんは村の幹部たちと、各世帯と村の幹線道路を繋げる道を整備する計画を立てた。今日はその朗報を李さんは刁さんに伝えに行くのだという。

午後になると、李さんは農業を営む賈海蓮さんのトマトを栽培しているビニールハウスに足を運び、収穫の手伝いをしながら、販売量について尋ねていた。

農業を営む賈海蓮さんとトマトの販路拡大について話し合う李全生さん(撮影・彭昱凱)。

農業を営む賈海蓮さんとトマトの販路拡大について話し合う李全生さん(撮影・彭昱凱)。

東邵渠村のトマトやイチゴは味に優れているものの、これまでは販路が常に課題となってきた。李さんは、ショート動画を作成し、「産地直送+固定客」というアプローチで販路拡大に取り組むことを提案し、それが功を奏して、トマトの販路は徐々に拡大するようになっている。

1日の仕事が終わると李さんはオフィスに戻った。デスクの上に置かれている12万字にも及ぶ調査研究報告には、ここ約2年間の戸別訪問の記録や課題の総括、農村のデータなどが記録されている。もうすぐ任期が満了する李さんは自分の経験を次の駐村第一書記に伝え、村の人々のためになる活動のバトンを繋ぎたいと考えている。(編集KN)

「人民網日本語版」2026年6月29日