江蘇省塩城市大豊シフゾウ国家級自然保護区には、シフゾウが様々な大きさの群れを作って生息しており、草木が青々と茂る黄海の湿地でゆったりと暮らしている。人民網が伝えた。
午前9時ごろ、野外調査員の張瑩瑩さんはピックアップトラックを走らせて保護区に向かい、時折車を止めて作業していた。彼女は、一人でモニタリングを行えるデバイスを手に持ち、遠くからシフゾウの群れの位置を確認し、経度や緯度を記録し、数を数え、活動の状態を記録し、調査を進めていた。
十数キロ離れた場所にある保護区管理処モニタリングセンターでは、張さんから送られてきたデータがスマートスクリーン上に赤く光り、シフゾウの群れの最新の移動軌跡がリアルタイムで示されていた。デジタル化管理・保護体系が、シフゾウの安全防衛ラインを守っている。
シフゾウが中国に再導入されて今年で40周年を迎えた。1986年、39頭のシフゾウが中国に戻って来た。今では、江蘇省の沿海地区にある2667ヘクタールのシフゾウ自然保護区に生息するシフゾウは8800頭以上にまで増えている。その数は世界で生息するシフゾウの総数の約70%を占めている。

シフゾウのスマートモニタリングプラットフォーム(撮影・崔小倩)。
シフゾウの個体数が増え続けているのは、保護区が管理・保護スタイルをアップデートし続けているからだ。
シフゾウは動きが機敏で、活動範囲が広いため、以前のように紙とペンでデータを記録する方法では時間も労力もかかるほか、誤差も避けられない。また、夜間のパトロールや火災防止、渡り鳥の保護、境界管理といった面のモニタリングでは、死角も多かった。保護区管理処の職員によると、2024年末に、シフゾウのスマートモニタリングプラットフォームの利用が始まり、野生のシフゾウ保護に「デジタル頭脳」が導入され、「足を使って走り回り、目で観察する」従来のパトロール・保護スタイルに終止符が打たれた。

水浴びするシフゾウ(撮影・崔小倩)。
保護区管理処モニタリングセンターに入ると、モニタリングスタッフの姚亜軍さんが、スマートスクリーンのスイッチを入れてくれた。すると、立っていたり、寝そべっていたりするシフゾウが映し出され、その一挙一動を確認することができた。そのシステムには、160本のモニタリングポールや320個のカメラによって張り巡らされた全方位型電子フェンスが活用されている。
大量の野外データも、生態系管理に活用されている。姚さんを例にすると、彼の任務はデータの受信にとどまらず、野外からデータが送られて来るたびに、過去の痕跡や周辺の環境のデータと比較して、シフゾウの群れの道路横断や漁網が密集するエリアへの接近といった危険な行動を記録している。姚さんは、「全てのモニタリングデータは、管轄当局に同時に送信される。そして、事故多発区間における警告の表示や減速を促す施設の増設、重点水域の網具の撤去やパトロールの計画などのための正確な根拠とされる」と説明する。

上空から撮影した大豊シフゾウ国家級自然保護区内のシフゾウの群れ(撮影・範堯)。
保護区は近年、スマートモニタリングプラットフォームを活用して、南京農業大学を含む高等教育機関と連携し、シフゾウの性ホルモンの変化、腸のプロバイオティクスなどの研究を進めている。また、人間がエサを与えることが原因で生じる代謝の問題に関しても、科学研究チームが菌群の研究、模索を展開し、生態系保護とバイオ医薬品の両方の価値を掘り起こしている。
個体数が増え続けているため、中国の他の地域にもシフゾウが再導入されている。例えば、今年6月、シフゾウ39頭が3000キロ以上離れた新疆維吾爾(ウイグル)自治区の天山に送られた。現時点で、大豊保護区は中国の28省・自治区にシフゾウを計500頭以上送り、多くの地で、安定した野外個体群、保護拠点が構築されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2026年8月4日