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清掃員に朝食を無料で提供する成都のレストラン 9年で30万食

16:41, October 12, 2026 

まだ夜がすっかり明けていない早朝5時、四川省成都市双流区にあるレストラン「泰合素食」の厨房には既に電気が灯されていた。中国新聞網が伝えた。

このレストランの店主が朝早くから店を開けているのは、お金のためではなく、無料で朝食を提供するためだ。忙しそうにしているのは店員だけではない。緑色の作業用ユニフォームを着た清掃員数人も、慣れた様子で店内に入り、店を手伝って椅子やテーブルを並べたり、窓を開けたりしていた。

無料の朝食を食べるために列に並ぶ清掃員。撮影・祝歓

無料の朝食を食べるために列に並ぶ清掃員。撮影・祝歓

清掃員になって20年以上という廖淑英さんは、「朝4時に起きてから、自分が担当しているエリアを掃除し、終わったら直接ここに来て、温かいお粥を食べることができる。自分で朝食を作る手間も省けるし、お金も節約できる」と話す。廖さんはこのように早朝を過ごすようになって、もうすぐ9年になるのだという。

「泰合素食」がオープンしたばかりの2017年12月、店主の王成富さんは、毎朝、店の外に座って冷たい饅頭(マントウ)を食べている清掃員がいることに気付いた。その時から、王さんは「清掃員らに飲み物を提供するなど、何かしてあげられないか」と考えるようになり、調査と検討を重ねたうえで、無料で朝食を提供することにしたのだという。

最初の頃は懐疑的な声も多かったが、王さんは各街道(エリア)に足を運び、一度食べに来るよう勧めた。やがて、レストランに朝食を食べに来る清掃員が少しずつ増え、2017年12月24日の時点で、1日当たり40-50人の清掃員が来るようになったという。

無料の朝食を食べる清掃員たち。撮影・祝歓

無料の朝食を食べる清掃員たち。撮影・祝歓

当初は数人がパラパラとくるだけだったが、今では100人以上が来るようになっている。このような取り組みが行われてきた約9年の間に、合計約30万食の無料食事が提供されてきた。店主の王さんについて、清掃員の楊顕淑は「本当にいい人。こんなに長く続けているというところに、一番感服させられる」とサムズアップしていた。

こうした取り組みの輪はどんどん広がっている。2022年、双流区総工会(工会は労働組合に相当)は、このレストランの労働組合と協力して、「無料の朝食」を「無料で3食」に拡大。さらに、その対象も清掃員だけでなく、デリバリー配達員や宅配便配達員などに拡大した。現在、レストラン運営経費の約40%は、労働組合からの補助金で賄われている。

社会各界の人々もその輪に加わっている。山東省のある野菜のサプライヤーは長年、低価格で野菜を提供している。また、西南民族大学の大学生は休日を利用して、ボランティアとして働いている。さらに、レストランは閲覧室や休憩室も設置し、そこに暑さ対策グッズなども準備している。(編集KN)

「人民網日本語版」2026年10月12日