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「中国の北斗」から「世界の北斗」 へ

2012年末、中国は「北斗2号」システムを完成させ、アジア太平洋地域に向けてサービスを提供し始めた。2018年11月19日、中国は19基の北斗測位衛星からなる基本システムを完成させ、同年年末に世界に向けてサービスを提供し始めた。2019年、中国はロケット7基と衛星10基の発射を成功させた。2020年6月までに、中国は地球静止軌道衛星2基をさらに発射し、北斗3号システムを全面的に完成させる計画となっている。これにより、システムのサービス性能とユーザーの使用性がさらに向上し、グローバルネットワーキングを実現する上で強固な基礎が出来上がる見込みとなっている。人民日報が伝えた。

日本経済新聞は、「中国は『一帯一路』(the Belt and Road)の参加国(137ヶ国)に利用を強く促しており、うちアジアやアフリカなど100ヶ国で観測数が最大だったことも判明したという」と報道している。さらに、中東やアフリカ、その他地域では30ヶ国以上が中国の衛星測位システムを使用しているとし、北斗衛星システムがこうした国々で業界標準を確立すれば、中国は新技術と新製品を導入する面で優位性を備えることになるだろうという見方を示している。

現在、北斗衛星測位産業はすでに自動車初期装備品とスマホの測位サービス、高精度の専門的応用、室内外の測位連携応用サービス、国際市場開拓の五つの面において重大な飛躍的進歩を遂げている。

米「フォーブス」誌は、「北斗衛星測位システムは中国だけにとどまらず、東南アジアやアフリカ、東欧などの市場に注目し、中国の『一帯一路』イニシアティブの枠組みの下で、インフラへの投資に力を注いでいくとみられる。米国の全地球測位システム(GPS)と比べると、北斗システムは自動運転車や農業、重要インフラ管理などの分野でよりハイレベルの正確性を提供していくことになるだろう」としている。

中国衛星測位協会の首席専門家である曹沖氏は人民日報の取材に対し、「近年、北斗衛星測位産業は主に三つの方法で国際市場を開拓してきた。一つ目は2国間や多国間の協力だ。特に他の全地球航法衛星システム(GNSS)とシステム面で互換性を備えているため、米国のGPSやロシアのGLONASS、欧州のGalileoと基本的に互換モードによる操作が可能で、それが北斗産業が市場のグローバル化を実現する上での重要な基盤となっている。また、中国とロシア間で多方面にわたる応用サービスの推進協力を展開しており、中国とタイ、パキスタン、ミャンマーなどと協力して地上観測ネットワークインフラを構築し、さらにはアラブ連盟諸国とも実質的な協力を展開している。二つ目は、中国の関連企業やグループ企業が海外で空港や港、鉄道、道路、産業パークなど重大なプロジェクト建設を請け負う際に、広く北斗/GNSS設備を応用するという方法。そして三つ目は、中国企業が数多く世界へと進出し、広く北斗の応用とサービスを普及させるという方法だ。中国の北斗/GNSS衛星測位チップやモジュール、高精度ボード、アンテナが100以上の国と地域に輸出されている」とした。

また曹沖氏は、「北斗産業の最大の優位性は、中国が世界最大の衛星測位応用・サービス市場を有していることだ。北斗産業は国内で大規模な応用とサービスの産業化実現に成功し、北斗/GNSS産業の市場をグローバル化するための基礎を固め、競争力を高めた。北斗システムのグローバル化配置が完了していくにつれて、中国の北斗システムはさらにGNSSに組み込まれ、『中国の北斗、世界の北斗、一流の北斗』という理念が実際の行動と実践へと変わっていくだろう」と指摘している。(編集AK)

「人民網日本語版」2020年1月7日