ショートトラックスピードスケートの競技状況は瞬時にして変化し、0.01秒の差で勝負が決まることもある。ハイレベルの選手が競技中に使用するスーツに耐切創機能が必須になることは、事実によって証明されている。国際スキー連盟(ISU)はスピード競技用スーツの生地に厳しい規定を設けている。EN388規格によると、スピード競技用スーツの耐切創レベルは2以上でなければならない。簡単に言えば、氷で切創が生じないということだ。科技日報が伝えた。
今回の北京冬季五輪に参戦する中国ショートトラックスピードスケート選手のスーツは、国家重点研究開発計画「テック冬季五輪」重点特定プロジェクトの支援を受け、北京服装学院の劉莉教授のチームが設計・開発したものだ。劉氏は、「ショートトラックスピードスケートのスーツは、筋肉の圧縮や空気抵抗軽減などの機能を考慮し、全体に新型の高弾力性・耐切創性生地を採用し、単一方向の耐切創性を二方向に改善した。弾力性を保った上で、耐切創性を20−30%高め、選手に全面的な防護を提供している」と述べた。
ショートトラックスピードスケートにとどまらず、スピード種目ではしっかり防護することが極めて重要だ。劉氏によると、アルペンスキーの練習防護スーツには、新型柱状配列耐衝撃性構造と新型エネルギー吸収・衝撃緩衝材料を採用。旗門を通過する際の痛みを減らし、選手を保護するために、さまざまなサポーターを研究開発した。
またショートトラックスピードスケートやアルペンスキーなどのスピード種目において、選手は出来るだけスピードを出そうとするため、スーツの空気抵抗を減らす生地を研究開発する必要がある。劉氏は、「製法をしっかり把握し、スーツのきめ、凹構造、縞の構造の最適化を続けなければならなかった。10%の空気抵抗性能は、高水準の競技中の選手に決定的なサポートをもたらすかもしれない。この10%を実現するため、100%の心血を注がなければならない」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年2月10日