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中国が衛星ネットワーク共有を提案、宇宙の「フルカバー」と衛星の「大衆化」を実現

9日のソフトウェア定義衛星サミットフォーラム2022では、ソフトウェア定義衛星技術連盟が衛星ネットワーク共有計画を打ち出した。ソフトウェア定義を通じ地表の上空に「バーチャル衛星」を平均的に分配し、衛星ネットワークの共有を実現する。衛星所有者は時間を衛星共有ネットワークに売却でき、プラットフォームが需要に基づき分配する。科技日報が伝えた。

中国科学院ソフトウェア研究所の趙軍鎖研究員は、「衛星打ち上げには豊かな経済力が必要だ。技術とモデルイノベーションにより衛星ネットワークの共有を実現し、打ち上げと使用が独立を果たしてはじめて、衛星応用を『全民化』に向かわせることができる」と述べた。

衛星ネットワーク共有の説明図(画像提供は取材先)

■共有で宇宙空間の「フルカバー」を実現

理論的には、衛星をより多く配備することでカバーできる宇宙空間が広がる。しかし同連盟は、ソフトウェアにより大規模配備を迂回できるとしている。趙氏は、「例えば地表の上空369キロメートルの球面を6万4800のグリッドに区分し、1つのグリッド内に1つのバーチャル衛星を配備すれば、宇宙通信のフルカバーを実現できる。このカバーには6万4800基の衛星が必要なく、ごく少量のソフトウェア定義衛星を使い、スマートにリンクされた衛星を配布集結地点とし衛星資源を十分に共有すれば、需要に基づきオンにし、活性化し、サービスを提供できる」と説明した。

このモデルの導入には、共有する衛星が「スマート衛星」であるという必須条件がある。

趙氏は、「過去の1基の衛星は任務が単一的だった。例えば通信衛星やリモートセンシング衛星などは従来の携帯電話のように一つの機能を提供するだけだった。だが1基のスマート衛星はスマートフォンのように数百の機能を提供する」と説明した。

スマート衛星に基づく衛星ネットワーク共有計画は、「天智」プラットフォームの研究開発機関、衛星打ち上げ機関、ソフトウェア開発機関、業界応用機関など各方面の資源と力を集める。

■共有で衛星使用の「大衆化」を促進

衛星製造・打ち上げコストは近年大幅に低下しているが、「大衆化」までは相当な距離が残っている。ある機能を宇宙で実現させるため衛星1基を作り打ち上げるのにかかる時間は少なくとも1年半で、コストは1000-2000万元(1元は20.0円)にのぼる。

趙氏は、「将来の衛星産業の主な活動は衛星製造から衛星ソフトウェア開発に移る。一つのソフトウェアを作り衛星ネットワークで共有を実現するのにかかる時間は数時間、コストは1000−2000元になるだろう」と述べた。

趙氏はさらに、「2022年の海底光ケーブル分布図を見ると、すべての国が光ケーブルの支配権を持っているわけではない。衛星伝送がインターネットの現在の不平等な状況を変えることに期待できる。地球上空の衛星ネットワークが共通のルールに基づき共有することで、宇宙情報使用の大衆化と平等化が実現される見込みだ」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年6月13日