中国工程院の機関誌「Engineering」は15日、「世界10大工学成果2022」を発表した。北斗衛星測位システム、嫦娥月探査、新型コロナウイルスワクチンの研究開発及び応用、大型再使用ロケット「ファルコン」、港珠澳大橋、超大規模クラウドサービスプラットフォーム、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、標準高速鉄道車両「復興号」、太陽光発電、新世代電気自動車が入選した。光明日報が伝えた。
中国工程院によると、世界10大工学成果とは過去5年近くの間に世界で完了した、世界的な影響力を持つとともに、顕著な経済・社会的効果をもたらした工学イノベーションの重要成果で、単一もしくは複数分野の現在の工学テクノロジーの最高水準を反映するものを指す。審査は「Engineering」学科編集委員会と中国工程院「世界工学フロンティア」プロジェクトチーム専門家による審査委員会が担当し、独立、客観、科学の原則に基づき、世界からの募集、専門家による選定・推薦、一般向けのアンケート調査により最終的に決定された。
中国工程院の楊宝峰院士によると、今年の世界工学フロンティアには「新技術」「新材料」「新手段」「新理念」という4つの全体特徴があり、次の3つの傾向を示している。(1)単一イノベーションからシステム統合へ。例えば「空・宇宙・陸・海一体化通信網構築理論と技術」は、地上ネットワーク、宇宙ネットワーク、空ネットワーク、海ネットワークを統合し、広い空間範囲内の各種ネットワークの応用にユビキタス、スマート、協同、高効率の情報インフラを提供できる。(2)並行発展から学際融合へ。例えば「高齢化向けスマート応答健康建築」は建築設計と建造、人工知能、情報通信、ヘルスケア、環境などの複数学科の知識を融合させ、高齢化がもたらす課題の解決に取り組む。(3)技術の研究開発からシーンの応用へ。例えば「ゲノム編集技術」は数年の発展を経て、実用化のペースが上がっており、植物、動物、人体での応用が新たな工学フロンティアになっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年12月16日