中国水利部(省)によると、「南水北調」(南方地域の水を北方地域に送り水不足を解消するプロジェクト)の東、中線一期プロジェクトの全面的な通水が始まってこのほど丸8年を迎えた。現時点で、プロジェクトにより調整された水の量は累計で586億立方メートルに達し、沿線の大・中都市42都市、280県(市、区)以上の1億5000万人以上が直接その益を受けている。また、同プロジェクトは経済や社会、生態系などに膨大な益を及している。人民日報が報じた。
「南水北調」の東、中線一期プロジェクトの全面的な通水が始まって以来、科学的な調整を通して、調整される水の量が年間約20億立方メートルから、約100億立方メートルにまで増加した。そのうち、中線一期プロジェクトにおいて2021—22年度に調整された水の量は92億1200万立方メートルで、過去最高となった。「南水北調」によって送られる水は、計画されていた補助水源から主力水源へと変わり、北京市内の7割以上の水が南方地域から送られてきた水となっている。また、天津市の中心部の水はほぼ全てが南方地域から送られている。東線の北延応急プロジェクトから水が送られる地域は河北省と天津市へと拡大しており、それらの地域の水供給保障能力が高まっている。
「南水北調」プロジェクトから水が送られる地域は拡大の一途をたどっており、水資源を下支え、保障する役割を十分に果たしている。ここ8年の間に、京津冀(北京市・天津市・河北省)に送られた水は累計で335億立方メートルに達した。雄安新区を見ると、その量は9134万立方メートルで、京津冀共同発展や雄安新区建設、黄河流域の生態系保全、質の高い発展といった中国の重大戦略実施に、水資源供給という観点から、強力な下支えと保障を提供している。沿線地域は、「南水北調」によって送られてくる水や現地の地表水、地下水、再生水といった各種水資源の配分を最適化し、産業構造の最適化、高度化、調整を促進し、水資源の集約、節約、効率的な利用を実現している。
全面的な通水が始まって以来、湖の貯水は安定し、生態環境も継続的に改善されている。中線では、北方エリアの河川50本以上に、生態補水として累計90億立方メートル以上の水が送られ、滹沱河や瀑河、南拒馬河、大清河、白洋淀といった河川・湖が活気を取り戻している。そして、河川・湖の生態環境は目に見えて改善し、華北エリアで長年下降の一途をたどっていた浅層地下水の水位は下げ止まって、上昇へと転じた。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月21日