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10億元産業を動かす「小さなイチゴ」 江蘇省塩城市

16:56, February 02, 2023 人民網日本語版

江蘇省塩城市塩都区のイチゴ栽培は、1990年代末頃にスタートしてからすでに20年以上の歴史があり、現在は栽培面積が90平方キロメートルに迫る。

15年前に企業の会計担当の職を辞してイチゴ栽培の世界に飛び込んだ村民の李万選さん(60)は、「自分はラッキーだった」と繰り返した。「当時は何の技術もなく、販売についても何も知らなかった。まさか小さなイチゴが一大産業に育つなんて夢にも思わなかった。今、うちでは0.67ヘクタールの土地でイチゴを育てている。自分から市場に売りに行かなくても、観光客がイチゴ摘みをしに来てくれる。ピーク時には1日の売上が2万元(1元は約19.1円)になる」と李さん。

キャリアのある李さんと比べると、「90後(1990年代生まれ)」の劉程媛さんはイチゴ栽培の新人だ。南京芸術学院でアナウンス・司会を専攻した劉さんは、2019年に家族の反対を押し切って教員の仕事を辞め、故郷に戻ってイチゴ栽培を始めた。今ではイチゴ栽培の年収は40万元に達するという。頭が柔軟な劉さんはフレッシュフルーツのイチゴの販売だけに満足せず、イチゴ酒、イチゴのシロップ漬け、ドライイチゴなど、一連の画期的な関連製品も開発した。

塩都区はさらに複数の科学研究機関とのマッチングを主体的に行ない、20種類を超えるイチゴの新品種を相次いで導入し、イチゴの品種構造の最適化を最大限に進めている。スマート温室の1つ1つに、農業用モノのインターネット(IoT)や水肥料一体化などの先端技術が応用され、イチゴのスマート栽培・管理が実現した。従来の一般的な栽培方法に比べ、現在のスマート化した栽培方法は収穫量を40%増やし、収入を50%増やし、経済効果を60%以上高めたと同時に、40%の節水、50%の肥料カット、80%以上の人件費カットも実現した上、汚染排出量も大幅に削減した。

このほか塩都区の村民が誇りにしているのが、4年に1回開催される世界イチゴ会議が25年3月に塩都で行なわれることだ。会期中には中国内外のイチゴ栽培テクノロジー、関連の製品や設備が全方位的に展示され、塩都におけるイチゴの新品種、新技術、新設備の開発・応用が推進され、塩都のイチゴ産業の質とレベルがさらに向上するものと期待される。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年2月2日