広西壮(チワン)族自治区と日本企業の経済貿易交流・協力をさらに促進するべく、広西壮族自治区商務庁が主催、在日中国企業協会が共催、日本貿易振興機構(ジェトロ)広州代表処、人民網日本株式会社が協賛した「中国広西チワン族自治区開放型産業パーク説明会」が今月13日、東京の第一ホテル両国で開催された。同自治区や日本の企業80社以上、投資機構、チャネルパートナー、中日主流メディアなどから120人余りが出席し、協力発展を促進するべく交流した。人民網が報じた。
広西壮族自治区開放型産業パーク説明会の様子。撮影・滕雪
在日本中国大使館・経済商務処の申宇・公使代表や日本国際貿易促進協会の笠井爚雄理事長、中国(広西)自由貿易試験区工作弁公室の白嵐・専従副主任、広西経済貿易代表団の羅成副団長、在日中国企業協会の王家馴会長、ジェトロの日向裕弥・海外地域戦略主管らが挨拶したほか、広西壮族自治区開放型産業パークの投資機会や平果市のアルミニウム産業の発展についての説明も行われた。説明会の司会は、広西壮族自治区梧州市万秀区党委員会の黄来煥書記が担当した。説明会において、広西壮族自治区と日本の企業が覚書に調印した新エネルギー、再生金属、健康食品といった分野の成約額は合わせて約50億元(1元は約19.6円)に達した。
広西が日本の経済界に4大商機をPR
中国(広西)自由貿易試験区工作弁公室の白専従副主任は、日本の経済産業界に広西壮族自治区の4大商機を紹介した。
説明を行う中国(広西)自由貿易試験区工作弁公室の白嵐・専従副主任。撮影・滕雪
越境産業チェーンやサプライチェーンの構築加速がもたらす商機について、白専従副主任は、「当自治区は、中国で唯一、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国に陸上で隣接し、海路でもつながっている省・自治区で、中国とASEANを連結するグローバルルート、交流の架け橋、協力のプラットホームだ。当自治区は現在、各種開発・開放プラットホームを活用して、越境製造、越境物流、越境貿易、海へとつながる出航地経済といった分野に投資して、発展を促している。日本と密接に協力して、双方の産業チェーンの踏み込んだ融合を促進することを願っている」と語った。
西部陸海新ルートの構築加速がもたらす商機について、白専従副主任は、「当自治区は、西は中国の西南エリアに面し、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)に隣接し、東南アジアにも通じており、中国で唯一、ASEAN加盟国に陸上で隣接し、海路でもつながっている省・自治区であり、西南エリアで最も便利な海へのルートであり、西部陸海新ルートにおいて陸と海をつなぐ拠点となっている。当自治区は、日本企業とインフラや商業貿易サービス、産業パーク開発といった面で協力を深化させ、空港、コールドチェーン、ECといった新業態を積極的に発展させることを願っている」と語った。
産業振興推進加速がもたらす商機について、白専従副主任は、「当自治区の各経済開発区は、産業の特色が際立っているほか、関連の体系も整備されており、当自治区の産業移転の重要な受け入れ先となっている。当自治区の発展のポテンシャルは大きい。日本企業と、製糖や木材加工、新エネルギー、スマートカーといった面で投資・協力を展開することを願っている」と語った。
グリーン発展促進がもたらす商機について、白専従副主任は、「当自治区は自然資源が非常に豊富という優位性があるほか、農業資源も特色があり、美しい自然の景色もある。日本と手を携えて、国家級、世界級の景勝地、ウエルネススポットを建設することを願っている」と呼びかけた。
説明会終了後、白専従副主任は人民網の取材に対して、「2022年、中国、日本を含む15ヶ国が署名した『地域的な包括的経済連携(RCEP)協定』が発効した。当自治区はRCEP実施のチャンスをしっかりと掴み、各企業と共に、貿易、投資協力を拡大させ、ASEANを対象にした越境産業チェーン・サプライチェーン協力を共に強化することを願っている」と語った。
各界が広西の地理的優位性を高く評価 強固な経済貿易協力の基礎
挨拶する在日本中国大使館・経済商務処の申宇・公使代表。撮影・滕雪
申公使代表は挨拶の中で、「昨年は中日国交正常化50周年に当たり、今年も中日平和友好条約締結45周年を迎える。中日関係にとっては、過去を受け継いで未来を導き開く重要な歴史的節目となる。近年、広西壮族自治区と日本の経済貿易や農業、文化といった分野の交流が日に日に盛んになっている。2022年、その貿易額は82億4000万元に達した。うち、広西壮族自治区の対日本輸出は前年比で108.9%増加した。同年末、日本が同自治区において投資して設立した企業は累計で84社となり、契約額は約2億6700万ドル(1ドルは約134.5円)、実行ベース外資導入額は約1億2500万ドルに達した」と説明。さらに「同自治区と日本の経済貿易協力の基礎は強固で、依然として成長の大きなポテンシャルがある。特に、近年、同自治区が建設を推進している自由貿易試験区や経済技術開発区といった重要な開放プラットホームは、今後、同自治区と日本の貿易・投資の発展を促進する重要なクラスターとなるだろう。日本の企業家の皆さんが今回の説明会を通して、同自治区についてさらに知り、理解し、さらに多くの商機を発掘し、双方の特色ある農産物の高付加価値加工、新エネルギー・自動車製造、電子情報、省エネ・環境保護といった分野の協力を共に促進し、互いの優位性による相互補完を実現することを願っている」と強調した。
挨拶する日本国際貿易促進協会の笠井爚雄理事長。撮影・滕雪
笠井理事長は挨拶の中で、「国際情勢が不安定で、世界経済の発展も大きな影響を受ける局面下で、日中経済協力がより重要になっている。広西壮族自治区は、中国とASEAN加盟国をつなぐ重要な役割を果たしている。北部湾(トンキン湾)は、『海上シルクロード』の起点として注目を集めている。同自治区と日本の交流を強化することで、中国、日本、ASEANの経済協力をさらに深化させ、RCEP協定がさらに大きな役割を果たすようになることを願っている」と語った。
平果市のアルミニウム業の発展状況を説明する広西経済貿易代表団の羅成副団長。撮影・滕雪
広西経済貿易代表団の副団長を務める、広西壮族自治区平果市党委員会の羅成書記は、同市のアルミニウム業の発展状況を中心に説明し、「当市は中国西南部に位置しており、粤港澳大湾区、ASEAN10ヶ国、RCEP加盟国を結ぶ重要な都市で、地理的優位性を有しているほか、豊富なボーキサイト資源もある。当市は日本のアルミニウム関連企業と、多くの面で密接に連携しており、協力のポテンシャルは大きい。日本の企業と協力の機会を探り、長所を取り入れ、短所を補い合い、互恵・ウィンウィンを実現することを願っている」と語った。
挨拶する在日中国企業協会の王家馴会長。 撮影・滕雪
在日中国企業協会の王会長やジェトロの日向海外地域戦略主管も来賓として挨拶した。王会長は、「今年、中日平和友好条約締結45周年を迎えるのを機に、広西壮族自治区代表団が日本を訪問したことは、理解・相互信頼、誠実な協力を強化し、中国の西南エリア、中南エリアの開放型発展の新たな構造を構築し、同自治区がASEAN加盟国と陸上で隣接し、海路でもつながっているという独特の優位性を活かし、西南エリア、中南エリア、西北エリア、北海市からASEANに向けた国際海陸貿易新ルートを築き、21世紀海上シルクロード経済ベルトを作り上げるうえで、重要な役割を果たし、大きな意義を持つことになるだろう。当協会は今後もこれまで通り、同自治区と心を一つにして協力し、素晴らしい広西を作り上げ、経済貿易と友好交流を促進するために積極的に取り組んでいく」と語った。
日向海外地域戦略主管は、「広西壮族自治区は、中国とASEAN加盟国を結ぶ地理的優位性を活かして、自由貿易試験区を設置している。日本の企業が今回の説明会を通して、同自治区に対する理解を深め、その関連政策を活用し、中国やASEAN加盟国との経済貿易協力を拡大させることを願っている。ジェトロは今後も、同自治区政府と共に、日中両国の企業に、多元化したサポートとバックアップを提供していく」と語った。
挨拶するジェトロの日向裕弥・海外地域戦略主管。撮影・滕雪
説明終了後、広西壮族自治区の企業3社が、日本の企業3社と提携プロジェクト実施に関する合意書に調印した。うち、平果金通投資集団有限公司と大林金属株式会社は再生アルミニウムを輸出入する契約に、広西大生新エネルギー科技有限公司と株式会社冨樫興業は提携・購入契約に、南方黒芝麻集団股份有限公司と株式会社ジェクシードは提携に合意する文書に、それぞれ調印した。中日企業は説明会会場で、積極的かつ有意義な交流を行っていた。
広西壮族自治区の企業3社と日本の企業3社のプロジェクト調印式。撮影・滕雪
会場で交流する広西経済貿易代表団と日本国際貿易促進協会関係者。撮影・滕雪
広西農墾や南方黒芝麻糊、梧州双銭実業、北流仲礼瓷業といった広西壮族自治区の企業も今回の説明会に参加し、日本の企業と、ブランドビルディングや産業協力、食品加工といった面で交流を行い、同自治区の老舗ブランド牌の魅力をPRした。
広西壮族自治区の老舗ブランドの魅力をPRする企業・広西農墾の商品。撮影・滕雪
(編集KN)
「人民網日本語版」2023年3月15日