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中国の流行語「ネットの流浪者」の本質は何だろうか?

14:50, April 04, 2023 人民網日本語版

 (画像著作権は東方ICが所有のため転載禁止)

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 最近、「ネットの流浪者」が流行語になり、ネットユーザーが自身のネット生活を自嘲する時に使われる。「ネットの流浪者」の典型的な特徴は次のようなものだ。ネットで特に何をするわけでもなく、このアプリをのぞいたかと思えば、あのアプリで遊び、何かを手に入れたいと思いながら、はっきりした目的もなく、ただ時間を潰している。何時間もネットサーフィンをしても、情報をキャッチできないどころか、精神的にはますます「流浪」するようになる。

このような「流浪者」は少なくない。こういう人が出てきた原因は、現代人の仕事・生活のニーズ、ストレス解消の方法との深い関わりがある。具体的には次の3点だ。1つ目は「ホッと一息つく」時間しかないからだ。リズムの速い仕事や勉強によって、人々の余暇・娯楽の時間が削られ、貴重な休みの日に何かしようと計画・実行する情熱も気力も残っていない。2つ目は「がんばらないで」楽しみたいからだ。わざわざ外に出かけなくても、ネットサーフィンならスマートフォンさえあれば、サイトを見たり、ショート動画を見たりして、リラックスするという目的は果たせる。3つ目はいろいろな意味で「コストゼロ」で楽しめるからだ。ネットサーフィンで垣間見るのは他人の身に起こった出来事、コメントするのは他人の暮らしぶり、ツッコむのは他人の身の上だ。スマホ画面がネットユーザーの生活を隔てており、無関係な立場からより純粋なリラックス感が得られる。

こうした背景の中、人々は個人の感情的ニーズと精神的よりどころを長らく仮想のネット世界に見いだしてきたが、ひとたびスマホを手放した時に押し寄せるむなしさは前よりももっと大きい。ネットサーフィンをすれば外からの情報がキャッチできるのに、なぜ人の心はますます「流浪」してしまうのだろうか。

「ネットの流浪者」の本質は「精神的な逃げ」だ。スマホの利用がますます日常的な習慣になっている。人々はしょっちゅうスマホを見ては、現実生活の中の嫌なことをつかの間忘れたいと思い、仮想のネット世界で少しでもなぐさめになるものを探そうとするが、結局はうまくいかないことが多い。ネットが人々に重大な影響を与え、さらにはその生活を支配するようになれば、人々は現実生活の中での能動性及びリアルの社会・生活への情熱を徐々に消耗していくだろう。

スマホは確かに人々に多くのものを与えてくれたが、同時に多くのものを見過ごさせてもいる。たとえば人と人、人と出来事との間の相互のつながりの複雑さなどだ。スマホにより生活の効率が高まり、ネットにより情報を得やすくなったが、精神的な楽しみはスマホだけで満たすわけにはいかない。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年4月4日