今月20日に、二十四節気の6番目「穀雨」を迎えた。 春の最後の節気となる。
穀雨とは、穀物の成長を助ける雨のことで、この頃になると雨が目に見えて多くなる。田植えや畑で種まきをするには、雨が降って大地が潤う必要がある。雨が適切な時期に十分降ることで、穀物の種は発芽して、すくすく育つことになる。穀雨は雨水や小満、小雪、大雪といった節気と同じく、降水と関係のある節気となる。
この頃になると雨が増えるものの、「穀雨」の日に必ず雨が降るというわけではなく、その前後に雨が降る確率が高まる。
牡丹の花は、「穀雨花」とも呼ばれており、昔から「穀雨」の頃にその花を鑑賞する風習がある。そのため山東省や河南省、四川省といった地域では牡丹の花をテーマにしたイベントが開催される。
中国南方エリアでは、「穀雨」の頃に茶を摘み、それを飲む風習がある。この頃に収穫される「穀雨茶」は、「雨前茶」や「二春茶」とも呼ばれる。雨がたくさん降り、気温も最適であるこの時期の茶葉はやわらかく、鮮やかな緑で、清々しい香りを漂わせる。
一方、北方エリアでは、「穀雨」の頃に、「春を食す」という思いを込めて、チャンチンの新芽を食べる風習がある。この頃の旬の野菜は、栄養価が高いだけでなく、それを食べることで、「春」を感じ、味わうことができる。
「穀雨」の時期の体調の整え方
「穀雨」を迎えると、夏が過ぎるまで、雨が多くなり、湿気が高くなる時期ともなる。中医学では、湿度が高い時に体調不良の原因になるものを「湿邪」と呼び、それは人体の「陽気」、特に、脾胃(胃腸系)の陽気に悪影響を及ぼすとしている。そのため、「穀雨」の時期に体調を整えるためには、肝臓をいたわり、「陽気」を守るほか、脾臓をいたわり、湿気を除くことを重視すべきだ。
湿気を除く食品には、フジマメやハトムギ、アズキ、トウガン、陳皮(ミカンの皮を乾燥させた生薬)などがある。虚弱体質の人は、ナツメやリュウガン、ブクリョウ、烏骨鶏といった「気」や「血」を補って益する食品を摂ることで、体を丈夫にすることができる。また、「脾胃」の不調をもたらし、体内の「湿気」が外に出にくくなるため、あまり早い時期から冷たいものを食べたり、飲んだりするのはできるだけ避けたほうがいい。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年4月20日