中国SF大会2023がこのほど北京市石景山区の北京首鋼園で閉幕した。写真は同大会のSF産業新技術・新製品展示会で、AR(拡張現実)を体験する来場者。(撮影・杜建坡)
中国SF研究センター、南方科技大学科学・人類想像力研究センターがこのほど共同編集した「中国のSF産業報告2023」が発表された。それによると、2022年の中国のSF産業の総売上高は877億5000万元(1元は約19.6円)に達し、全体として安定傾向の中で好調さを維持する発展のトレンドを示したという。人民日報海外版が伝えた。
同報告は22年の中国のSF産業の典型的な業態の中から、SF書籍、SF映画、SFゲーム、SFグッズ、SF文化・観光の5ジャンルを選び、中国のSF産業で同年に見られた現象と発展のトレンドを重点的に研究・分析したものだ。全体として言えるのは、中国のSF産業は黄金チャンス期を迎え、各ジャンルとも力強い発展の勢いを示していることだ。
同報告によれば、SF小説のジャンルでは、22年の売上高が前年比12.6%増の30億4000万元に達し、全体的な成長率はやや鈍化した。子ども向けSF書籍の出版数が増加した。電子書籍の売上高が初めて紙の本を上回り、紙の本、電子書籍、オーディオブックの3大市場がますますバランスが取れるようになっている。
SF映画のジャンルでは、22年の産業全体(映画館と動画配信サービス)の総売上高は同16.1%増の83億5000万元に上った。映画興行収入は安定的に増加し、SFがテーマの動画配信が増加し、SFショートフィルムがSF映画産業の新たな成長源になった。映画興行収入の年間ベスト10のうちSF作品が4つを占め、「月で始まるソロライフ(独行月球)」が31億元で2位だった。
SFゲームのジャンルでは、22年の総売上高は同15.7%減の565億元となった。SFモバイルゲームの市場シェアが増加し、中国発SFゲームが海外市場で好調だった。
SFグッズのジャンルでは、22年の総売上高が同20.4%減の48億3000万元になった。そのうちグッズブランドのライセンスによる売上高は3億1000万元、グッズの製造とその他サービスの売上高は45億2000万元だった。
SF文化・観光のジャンルでは、22年の総売上高が150億3000万元に達した。シェアを見るとテーマパークのSFアトラクションが大きな部分を占め、国産SFのキャラクターを中核として建設されたSFテーマパークが新たな成長の極になることが期待される。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年6月8日