病気で亡くなった両親が残した借金3万元(1元は約20円)を、6年かけて完済した葉石雲さんが、「律儀な少年」とネット上で話題になり、多くの人を感動させている。両親が亡くなった当時、葉さんはまだ11歳の少年だった。
浙江省麗水市雲和県のごく普通の農家に生まれた葉さんは11歳だった2009年に、わずか49日の間に父親と母親を病で相次いで亡くした。その時から葉さんは祖父と二人で暮らすようになった。
借用書があったわけではなかったが、「借りたお金は返さなくては!」という思いから、葉さんと祖父は親戚や友人から聞いた情報をもとに、20件以上、合わせて3万元の借金を確認した。そして両親の借金を返済するため、葉さんは週末や祝祭日になると、廃品を回収してはお金を稼いだ。そして16歳になり、働ける年齢に達すると、夏休みや冬休みを利用して工場でアルバイトしてお金を稼ぎ、借金返済に充てた。
実際には、村民たちも葉さんのことを気の毒に思い、返済を求めたことは一度もなかったという。また、葉さんが返したお金についても、それとなく断ったり、進んで減額を申し出たり、さらには理由を見つけて返したお金を葉さんに戻す人までいたという。それでも葉さんは「絶対に返す」という姿勢を貫き続けた。
そして2015年末までに、葉さんは合わせて2万2800元を稼ぎ、それに普段切り詰めた節約生活をして貯めたお金を足して、両親の生前の借金をついに完済した。
葉さんは、「一番大変だった時に、親切な人々がたくさん助けの手を差し伸べてくれた。その好意に報いることはできないものの、自分の行動で、その愛を僕のように助けを必要としている人に伝えたい」と語る。
そう話す葉さんは高校入学後、ボランティア活動に参加するようになり、今では電力会社の国家電網浙江緊水灘発電所の職員となっている。そして、休みの日などには、会社の中国共産主義青年団の団員と共に、孤児などを対象としたボランティア活動に参加し、実際の行動で愛と善意を伝えている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年8月18日