世界ロボット大会2023が今月16日、北京で開幕した。今大会はフォーラム、博覧会、コンテストの3つの部分からなっている。そのうちの博覧会では、中国内外のロボットメーカー140社以上が展示品約600点を出展しており、世界中のロボットが一堂に会している。
会場ではロボットアームが「慣れた手つき」で、お茶を入れていた。中国の国家級「専精特新(専門化・精密化・特徴化・新規性)」の小巨人企業(高い成長性または大きい発展のポテンシャルを備えたテクノロジーイノベーション中小企業)のブースにはソフトロボットが展示されており、人の手のように柔軟に動く「青い手」が、ティーポットの蓋をゆっくりと持ち上げて、その中にお湯を注ぎ、しばらくしてから、コップにお茶を注いでいた。その一連の動作は滑らかで、流れるようだった。SRTの研究開発ディレクター・単雪梅氏によると、ソフトロボットを導入すると、工業生産における異形品や易損品の約96%を掴んで運ぶことができる。その柔軟なハンドの製造には、エラストマーの技術や構造設計、制御技術などが採用されている。
長木谷の張逸凌董事長によると、同企業が独自に研究開発した人工知能のディープラーニングをベースにしたスマート3D再建手術サポートシステムは、手術前の5—10分に、3D画像手術のオーダーメイドプランを正確に制定できる。その精度は96.7%以上に達するという。
同じく「専精特新」企業である和華瑞博は今回、中国が初めて独自に研究開発し、登録証を取得した関節手術ロボット・KRobot-5800を展示している。同社のブランドマネージャー・周夢竹氏によると、これはナビゲーションと骨切り術を兼ね備えた自動位置合わせ操作型手術ロボットだ。2021年1月、北京協和医学院がこの国産ロボットを使った初の手術に成功した後、中国で同ロボットを使った1800回以上の人工膝関節置換術に成功し、中国の同類の手術におけるこれまで最多の病例サンプルになっている。
深海及び原子力産業の作業は難度が非常に高く、1メートル深くなるたびに、または1メートル前進するごとに、人類に課題を突きつけてくる。浙江凱富博科科技有限公司のブースの中心位置には、大きなロボットアームが展示され、注目を集めていた。同社の張晶晶副総経理は、「この『Saturn土星』6+1軸マスタースレーブコントロール油圧ロボットアームは、深海7000メートル以下における柔軟な作業を実現することができる。持重自重比は7∶1で、高水圧や高放射能、高電圧、高腐食などの劣悪な環境に適応することができ、海洋や原子力工業、電力、セキュリティといった専門分野・業界の発展を推進することができる」と説明する。
高精密減速機は、わずか15センチの小さな部品で、産業用ロボットの「心臓」とも言え、その製造コストは全体の約3分の1を占めている。中国の高精密減速機はこれまで、ずっと輸入に依存していた。北京亦荘開発区の「専精特新」の小巨人企業・智同科技が展示しているCT-CRVシリーズの減速機は、ロボットアームのより滑らかな動きを実現しており、中国の産業用ロボットのコア部品の国産化が実現している。
SMCが初めて発表したAMSシリーズの製品「圧縮空気管理システム」は、工場の省エネを実現することができる。同システムは、設備がスタンバイ(生産停止)の状態になっていることを察知すると、自動で空気供給の圧力を下げたり、供給源のスイッチを切って、圧縮空気の消耗を減らすことで、設備の作動効率をリアルタイムで監視・コントロールし、空気消耗量を最大62%削減することができる。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年8月18日