中国高精度地上時報システム敦煌時報台プロジェクトが着工

中国高精度地上時報システム敦煌時報台プロジェクトが10日、甘粛省敦煌市で着工した。専門家によると、これは中国の長波時報信号の全国土カバーの実現の促進と、重要分野における時間利用の安全性および信頼性の向上の重要な一歩を意味するという。新華社が伝えた。

高精度地上時報システムは国家重大科学技術インフラとして「中華人民共和国国民経済と社会発展の第14次五カ年計画及び2035年までの長期目標綱要」に組み入れられた。同システムは中国の既存の通信光ファイバー資源を利用し、約300ヶ所の光ファイバー時間周波数伝達ノードを敷設し、全長約2万キロメートルで全国主要都市及び重点ユーザーを結ぶ光ファイバー時間周波数伝達中堅ネットワークを構築する。同時に西部地区で3ヶ所の強化型ロラン時報台を追加建設し、長波時報信号の全国土カバーを実現する。

紹介によると、強化型ロラン時報台は現在、最も信頼性の高い地上長波時報手段となっている。中国は新疆庫爾勒（コルラ）、甘粛敦煌、西蔵（チベット）那曲（ナクチュ）に長波時報台3ヶ所を建設し、既存の長波時報システムを結びつけることで、長波時報信号の全国土カバーを実現できるようになる。同時に階差技術により長波時報の精度を百ナノ秒級に高め、世界トップレベルに達することができる。

敦煌時報台は敦煌市北東部に位置する。投資総額は1億8000万元（1元は約20.1円）で、工期は3年。建設内容には強化型ロラン発射システムと、半径300メートルでタワーの高度が278メートルのアンテナシステムなどが含まれ、かつ敦煌市の市街地で1ヶ所の時報観測ステーションを建設する。

中国科学院国家時報センター主任で首席科学者の張首剛氏は、「高精度地上時報システムの建設により、中国は北斗衛星測位・時報システム及び宇宙ステーション高精度時間周波数実験システムと結びつけることで、世界で唯一の立体・交差型、相互強化、相互融合の国家時報体制を真っ先に完成させる」としている。（編集YF）

「人民網日本語版」2023年9月11日