北京の街を人民網日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩いて紹介する、その名も「ぶらり北京」。今回は最近カフェストリートとして人気の東四エリアをぶらり。カフェ8軒をスタンプラリー形式でめぐってみました。流行のシティウォークにちなんで、その名も「東四カフェウォーク」!
カフェウォークのお供はG姐作のスタンプカード。A姐とG姐のイラスト入りのカードを片手に歩いたカフェ8軒のスタンプラリーの様子はこちらの動画でどうぞ!
☕東四エリアがカフェストリート化
中国のほかの都市と同様に、北京も今、空前のカフェブーム。大小さまざまなカフェが雨後の筍のようにオープンしている。中でも、東四エリアはちょっとしたカフェ集中スポットになっており、大通り沿いのスタイリッシュなお店のほか、大通りから入った胡同(路地)にも北京らしさあふれるスタイルの建物をリノベーションした隠れ家カフェが点在している。
東四エリアに点在する様々なカフェ(撮影・勝又あや子)。
中国では今、観光名所めぐりではなく、テーマやエリアを特定して街をぶらりと歩く「城市漫歩(シティウォーク)」が若者を中心に流行中。時代が「ぶらり北京」に追いついた?そこで、私たちも負けじとばかり、カフェめぐりをテーマにして東四エリアのシティウォークを楽しんでみることにした。
私たちのコースは、東四北大街の一番北にある東四十条の交差点からスタートし、途中で胡同の中にあるカフェに寄り道しながら、東四の交差点を越えて東四南大街を南下し、灯市口まで。訪ねる予定のカフェは計8軒!欲張り気味のカフェウォークを最後まで完走するために、G姐が手作りのスタンプカードとスタンプを用意してくれた。それでは、カフェスタンプラリーへGO!
スタート地点の東四十条交差点でパチリ(撮影・勝又あや子)。
【1軒目】SALTY ICE PLUS Cafe&Bar
モグラがキャラクターになっているSALTY ICE PLUS Cafe&Bar(撮影・勝又あや子)。
最初に向かったのは、東四十条交差点の東南にあるSALTY ICE PLUS Cafe&Bar。ただ、まだ開店前だったので、とりあえずお店のキャラクターのモグラにご挨拶して、次のお店へ。
【2軒目】1/4 ONE QUARTER COFFEE LAB
灰色の瓦と壁が北京らしい雰囲気の1/4 ONE QUARTER COFFEE LAB(撮影・勝又あや子)。
東四十条から東四六条まで南下し、大通りから胡同の中へ。灰色の壁と瓦が印象的な外観の1/4 ONE QUARTER COFFEE LABは、中に入ると大きな窓から日差しの入るカウンターがあり、開放的な雰囲気。間口は狭いものの、鰻の寝床のように奥に細長く続くスペースがあり、2階にはバルコニー席もある。店内ではコーヒーやタンブラー、Tシャツ、バッグなどオリジナルのグッズも販売されている。
ここでは、エチオピア産のコーヒー豆をコールドブリュー(水出し)したコーヒーが人気とのことだったが、真っ赤に色づいた紅葉の葉に秋心を誘われて、この映えドリンクを注文。日本の柚子の風味がきいたピスタチオケーキも頼んでみた。
山丹丹那个紅艶艶(サンザシ&ベリーのアイスコーヒー)48元、日本柚子開心果(柚子風味ピスタチオケーキ)50元(撮影・勝又あや子)。
「山丹丹那个紅艶艶」はサンザシ、ブラックカラント、ラズベリー入りのコーヒーにレモンジュースを入れ、フリーズドライのイチゴをあしらったドリンク。コーヒーの味はほのか。レモンジュース由来なのか酸味があって爽やかな飲み口だった。「日本柚子開心果」は、ピスタチオのクリームでデコレーションされたヨーグルト風味のケーキ。ライムかと思った柑橘の風味は、柚子だったらしい。
【3軒目】沙沙冷萃園・胡同小駐(SHASHA)
沙沙冷萃園・胡同小駐(SHASHA)の風情ある入口(撮影・勝又あや子)。
次に立ち寄ったカフェは、東四三条にある沙沙冷萃園・胡同小駐(SHASHA)。3月にオープンした新しいカフェだ。目立たない看板を頼りに路地を入っていくと、どことなく日本を思わせる格子の扉と窓が目に入った。内装もなんとなく和を感じさせるしつらえだ。
沙沙冷萃園・胡同小駐(SHASHA)の店内(撮影・勝又あや子)。
こちらもコールドブリューが売りとのことだったが、「急須でコーヒー」の映え効果につられて、エチオピア産コーヒー豆のハンドドリップコーヒーを注文。お菓子はジャスミン茶、ソルトウォーター、パンダンリーフを使ったスコーン3点セットを頼んだ。
ハンドドリップコーヒー68元、スコーンセット(ジャスミン茶、ソルトウォーター、パンダンリーフ)48元(撮影・勝又あや子)。
【4軒目】福嗝er Cafe&Brewpub
どことなくレトロな外観の福嗝er Cafe&Brewpub(撮影・勝又あや子)。
ついつい長居したくなる重い腰を上げて、次のカフェへ。ここは東四北大街に面したカフェで、新しく開店したばかり。どことなくレトロな感じの外観で、中をのぞくと「福」の字が入ったボトル入り飲料を飲むお客さんの姿が見えた。ただ、店内には入らず、外観チェックだけで訪問したことにして先を急ぐ。まだまだ先は長い!
🏠胡同の文化に触れる
さて、カフェめぐりだけではさすがにお腹がタプタプになってしまうので、3軒目のカフェに行く前に、東四四条にある東四胡同博物館に立ち寄っていた。ここは「三進四合院」という典型的な四合院建築で、中庭の四方を建物が囲む造りが縦に3つ並んでいる。1940年代に建てられたもので、一時は東四派出所として利用されていたが、2018年に東四胡同博物館として開館した。
庶民の暮らしの匂いあふれる胡同にある東四胡同博物館の入り口(撮影・勝又あや子)。
四合院を利用した東四胡同博物館の内部(撮影・勝又あや子)。
中には北京の胡同文化に関する展示のほか、胡同をテーマにしたインスタレーションアートなどもあり、なかなかの充実ぶり。一番奥の三進院にある建物では、胡同文化に関する講座もしばしば行われているそう。この日は、子供たちを対象に伝統的なろうそくについての教室が開かれていた。
この博物館にはその名も「東四(ドンス―)」という名物猫がいて、グッズショップにもこの猫をキャラクターにしたお土産品が並んでいる。私たちは幸運にも、この東四ちゃんに遭遇!今日は猫運があるぞ!
東四胡同博物館のギフトショップ(撮影・勝又あや子)。
東四四条はとても風情のある通り。東四胡同博物館を見学した帰りにぶらりと歩いていたら、流しの荒物屋さんに出会った。ざるや団扇、箒、洗濯板、月餅の型、中華鍋を手入れする時に使う「ササラ」など、懐かしい道具が三輪車の荷台にところ狭しと並べられている。
流しのミニ荒物屋さん(撮影・勝又あや子)。
さらに歩くと、鳩を入れた鳥かごをバイクの荷台に乗せたおじさんに遭遇。聞けば、飼っている鳩の中でも羽色が美しいので、特別に世話をしているとのこと。さらに、通りの反対側では近所の人が飼っている鳩がエサをついばみ、水を飲んでいた。北京には鳩を飼うことを趣味にしている人が多い。ご近所さん同士で鳩談義に花を咲かせる人々の姿も、北京らしい風情ある光景の一つと言えるかもしれない。
羽色の美しい鳩と胡同でエサをついばむ鳩たち(撮影・勝又あや子)。
🐈カフェウォークの裏テーマは「猫めぐり」
ところで、今回のカフェウォークには実は裏テーマがあった。それは、「看板猫に会えるカフェめぐり」!東四エリアのカフェには猫のいるお店がいくつもあるのだ。ハチワレ猫のA姐と茶トラ猫のG姐は、同じ模様のお仲間に会えるかな?
【5軒目】古耳珈琲
灰色のレンガ造りの壁が印象的な古耳珈琲(撮影・勝又あや子)。
東四二条を少し入ったところにある古耳珈琲には、3匹の看板猫がいる。この日遭遇できたのは茶トラ猫の小花(シャオホワ)と白猫の中秋(ジョンチウ)。2匹とも人懐こくて、嫌がる様子もなくなでさせてくれた。
茶トラ猫の小花と白猫の中秋(撮影・勝又あや子)。
ここで頼んだハンドドリップコーヒーは、ビーカーで供される映えコーヒー。コスタリカ産のコーヒー豆で、ナッツの香りがほんのり感じられた。何年か前に流行って以来すっかり定着した感のあるダーティーコーヒーは、ミルクにコーヒーがだんだん混ざっていく様子を見るのが楽しい。
巨石F1黒蜜ハンドドリップコーヒー(コスタリカ産コーヒー豆)49元、影刻Dirty(Shadow)35元(撮影・勝又あや子)。
【6軒目】挖味児(WAVI coffee friends)
ガラス張りで開放的な挖味児(WAVI coffee friends)の外観(撮影・勝又あや子)。
東四南大街の大通り沿いにある挖味児(WAVI coffee friends)で会えたのは、ハチワレ猫のジェリー。まだ若いのか、活発に動きまわってなかなかシャッターチャンスをくれない。そんな中、かろうじてお顔がちゃんと撮れた1枚がこちら。
挖味児の看板猫、ハチワレ猫のジェリー(撮影・勝又あや子)。
こちらで頼んだのは、アメリカンコーヒーにオレンジソーダを加えた「夕陽美式」。微炭酸のオレンジソーダとコーヒーが思いがけず心地よいハーモニーを奏でていて、さっぱりとした飲み口だった。
爽やかな飲み口の「夕陽美式」38元(撮影・勝又あや子)。
【7軒目】CENCHI 汵奇咖啡
シンプルな店構えで白いタイル張りの内装が印象的なCENCHI 汵奇咖啡(撮影・勝又あや子)。
東四南大街をさらに下ったところにあるCENCHI 汵奇咖啡には、毛足の長い三毛猫の朶朶(ドゥオドゥオ)がいる。すでに午後になり、お客さま対応でちょっとお疲れ気味だったが、それでも渋々(?)なでさせてくれた。休憩中に邪魔してごめんね。
「看板猫はつらいよ」といった風情の三毛猫の朶朶(撮影・勝又あや子)。
お店は白いタイル張りの内装で、シンプルでとてもすっきりしている。客席の中にキッチンがある不思議な構造で、奥には少し高くなった観客席のような席がある。私たちは奥の高い席に座って、お店の名物になっているソルティーなアイスショコラテとアイスモカを味見してみた。思ったより塩味がきいていて、甘いもの続きのカフェめぐりのいいアクセントになった。
咸可可(ソルティーショコラテ)40元、咸摩卡(ソルティーモカ)40元(撮影・勝又あや子)。
看板猫がいるという前情報をつかんでいた3軒すべてで猫に会うことができ、東四胡同博物館も含め、合計5匹の猫に会えた。しかも、ハチワレ猫も茶トラ猫もいて、A姐もG姐も無事お仲間との対面を果たせてご機嫌!
【8軒目】午馬(UMA Coffee & Wine)
灯市口駅近くにある午馬(UMA Coffee & Wine)の外観(撮影・勝又あや子)。
そして最後は、東四南大街からさらに南下した灯市口大街にある午馬(UMA Coffee & Wine)。コンパクトな店構えだが、モダンな中にも温かさを感じる内装だ。ここでも映え狙いで、葡萄風味のアイスコーヒーとチョコレートやクルミが入った巨大なクッキーを注文した。
葡萄成熟時(ジャスミン茶やパッションフルーツなどが入ったケニア産コーヒー豆のアイスコーヒー)48元、法芙娜巧克力核桃大曲奇(チョコレートとクルミ入りのビッグサイズクッキー)32元(撮影・勝又あや子)。
これにて8軒のカフェめぐりを無事完走。A姐はハチワレ猫、G姐は茶トラ猫のスタンプでゴールイン!
スタンプラリー、無事コンプリート!コーヒーと猫のスタンプもG姐の手作り(撮影・勝又あや子)。
東四エリアのカフェを駆け足ではしごした「カフェウォーク」。大通りのスタイリッシュなカフェも、北京らしい雰囲気に溶け込んだ胡同の隠れ家カフェも、それぞれ個性的だったし、看板猫たちとも触れ合えて大満足。カフェめぐりの合間に楽しんだ胡同の雰囲気も味わい深かった。北京を訪れることがあったら、東四エリアの「カフェウォーク」を楽しんでみては?(文・勝又あや子)
「人民網日本語版」2023年9月22日
☕東四カフェウォーク訪問店一覧☕
【1】SALTY ICE PLUS Cafe&Bar/東四北大街210号一F
【2】1/4 ONE QUARTER COFFEE LAB/東四六条胡同85号
【3】沙沙冷萃園・胡同小駐(SHASHA)/東四三条16号
【4】福嗝er Cafe&Brewpub/東四北大街495号
【5】古耳珈琲/東四二条23号
【6】挖味児(WAVI coffee friends)/東四南大街15-17号雪蓮亮点文創園105号
【7】CENCHI 汵奇咖啡/東四南大街114号
【8】午馬(UMA Coffee & Wine)/灯市口大街10号楼一F底商B-2
ぶらり北京
北京の街を人民網日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩き、見たり、食べたり、遊んだり?興味の向くまま、気の向くまま、北京の魅力をゆる~くお伝えしていきます。