10年前、留学のために中国に来たインドネシア人の女性・アンジェリカさん(中国名・葉娜雅)は今では中国人男性に嫁ぎ、留学生から「中国の嫁」になっている。そんな葉娜雅さんはこの10年、中国が急速に発展し、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の関係が日に日に親密になっていく様子をその目で見てきただけでなく、中国で自身の幸せも手に入れた。中国新聞社が報じた。
1994年にインドネシア・ジャカルタの華僑の家に生まれた葉娜雅さんは、子供の頃から、父親の中国に対する深い思いを感じていたと言い、「父は中国映画が好きで、毎年、春節(旧正月)には(中国の風習に従い)お年玉を私たちにくれた」と話す。
2013年に父親のアドバイスを受けて、広西壮(チワン)族自治区柳州市に留学した葉娜雅さんは、「初めは中国語が分からず、中国のこともほとんど知らなかったので、喜んで留学したいと思っていたわけではないが、父の勧めもあって、とりあえずは見てみようということになった。でも思いがけないことに、中国に来たら、たちまち好きになってしまった」と振り返る。
古琴の演奏を披露する葉娜雅さん(撮影・林馨)。
葉娜雅さんが一番魅了されたのは中国伝統の漢服文化だといい、「友達と街に出かけた時、漢服を着た女の子のグループを見かけた時のことを今でも覚えている。まるで天女が舞い降りて来たかのようだった」と話す。その後、学校でちょうど中国の伝統文化を体験する一連のイベントが開催され、葉娜雅さんは漢服文化をより深く理解する機会を得た。
それを機に、葉娜雅さんは中国伝統文化に夢中になり、彼女のクローゼットには様々なスタイルの漢服十数着が並んでいる。中国語を流暢に話し、漢服を着てお茶を飲んだり、チャイナドレスを着て古琴を演奏したりする彼女は、一見すると中国人女性のように見える。
「漢服に対する理解を深めることで、中国の若者は自国の伝統文化を発信することを非常に重視していることに気付いた。私も、一人でも多くの人にインドネシアの伝統衣装や文化を知ってもらいたい」と葉娜雅さん。今年の中国・ASEAN 博覧会開催期間中、葉娜雅さんはインドネシアの複数のタイプの伝統衣装を 「広西の国際友好都市が博覧会へ」をテーマとしたブースで紹介した。
中国に来てからの10年間、葉娜雅さんが最も印象深いと感じているのは、中国の急速な発展だ。「以前、広西から広州に行くためには、バスに10時間乗らなければならなかった。今では高速列車で4時間で行けるようになった。今、中国に留学してみたいと考えているインドネシア人にはいつも、まずは中国を見に来てみて、と言っている」とした。
葉娜雅さんは現在、中国の生活に溶け込んでいるだけでなく、自身の幸せも手に入れた。今年6月、中国人男性と結婚した彼女は、「1年前、友達の紹介で、今の夫に出会った。夫は料理が得意。彼が作ってくれた東南アジア料理を食べた時、家にいるような気持ちになった」と話す。そして結婚後は、葉さんの父親も柳州に来て暮らすようになったという。
葉娜雅さんは今後も中国で生活を続け、中国とインドネシアの文化発信者になりたいと思っており、「中国人にはより多くのインドネシア文化を、そして、インドネシア人には中国文化を紹介し、両国の友好と往来を促進する懸け橋となりたい」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年9月25日