四川省黄龍景勝区の五彩池を遊覧する観光客たち。(9月30日、撮影・趙雯博)
中秋節(旧暦8月15日、今年は9月29日)と国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせて、今年は9月29日から10月6日まで8連休だった中国。中国の国内旅行者は延べ8億2600万人、国内観光収入は7534億3000万元(1元は約20.4円)に達した。中国新聞網が報じた。
旅行が非常に活況になる中、旅行中のトラブルやわずらわしさといった問題も浮き彫りになった。旅行中のこうした「ムードぶち壊し」といった事態が生じてしまうことを避けるため、中国の若者は最近、一緒に旅行に行く人と事前に、「旅行中にムードをぶち壊すようなことは絶対にしない」と約束する動画を撮影したり、自分とは価値観の異なる人とは旅行に行かないようにしたりするようになっているようだ。
誰かと一緒に旅行に行くことは一種の冒険でもあり、また互いの本当の関係について知る機会ともなる。旅行が大好きな一部のバックパッカーは、失敗を避けるための自分なりの方法を編み出すようになっている。
旅行前に約束ごとを動画で撮影する若者たち
ある個人メディアのブロガーは8連休中に旅行に出かける前に、両親や妹と共に「旅行中はムードをぶち壊さない。怒らない。『疲れた』や『まずい。自宅で自分で作った料理の方が美味しい』と言わない。『入場券が高すぎるから、外で待っている』や『クーラーのきいた自分の家にいた方が良かった』と言わない。楽しく旅行し、いい気分で家に帰ることを誓う」と宣誓した動画を撮影した。
中国のソーシャルメディアでは最近、こうした旅行に行く前に「宣誓」の動画を撮影するのが流行っている。旅行を楽しみにしている若者たちは、両親や友人、配偶者と共に、約束ごとを宣誓する様子を撮影したり、宣誓書にサインしたりして、楽しく旅行するための基礎を築いている。
旅行前に撮影した「宣誓」動画を投稿するネットユーザーたち。
こうした若者に促され、これまでムードをぶち壊す言動が多かった親たちも少しずつ変化を見せているようだ。例えば、趙涵さん(仮名)は、「これまでは旅行する時、母はいつもたくさんの食べ物を持って旅行していた。でも今は私と一緒に旅行先のご当地グルメを食べに行くようになった。『あれも高い、これも高い』と不平不満をこぼすこともなくなり、自分の好きなものを適度に買うようになっている」と話す。
同年代の「旅トモ」についても、若者たちは、旅行の楽しみ方が違う人は避けて、気の合う仲間を選ぶようになっている。楽しくない旅行を経験したことがあるという王琪さんは、「あの友達とは二度と一緒に旅行に行かない」と心に決めたといい、「今後は旅行の楽しみ方が同じような友達を選び、前もって、生活パターンや旅行中の計画などを確認しておくようにしたい。旅行先の風土人情を楽しみたいと強く思っている人と行きたい」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年10月10日