笹川平和財団や上海世久非物質文化遺産保護基金会、日本工芸会が共同で主催する中日両国の伝統工芸関係者交流事業の成果物となる書籍「日本の人間国宝·伝統工芸」の出版報告会がこのほど、日本東京都にあるホテルニューオータニで開催された。人民網が報じた。
挨拶する中国の呉江浩駐日大使(撮影・蒋暁辰)。
中国の呉江浩駐日大使は、「中日両国は一衣帯水の隣国で、古くから文化交流が密接に行われてきた。両国の国民は長きにわたり、相互学習と相互参考を行ってきた。同書籍の出版は、両国の読者が中日の文化のルーツ、日本の匠の精神を理解するうえで極めて意義がある。無形文化遺産は、一つの民族、ひいては人類の文明が延々と受け継がれてきた証だ。習近平主席は世界文明イニシアティブを提起し、文明の伝承と交流、革新を重視するよう呼び掛けている。同じくアジアの重要な一員である中日両国が、文化の共通性をより一層掘り起こし、各種文化遺産の保護に関する協力を強化することを期待している。そして、両国文化の交流と相互参考を促進し、手を携えて、『美美与共(互いに良さを認め合う)』と『天下大同(世界が一つになる)』を求め、人類運命共同体の構築の促進という大きな道を歩んでいきたい」と語った。
挨拶する笹川平和財団の笹川陽平名誉会長(撮影・蒋暁辰)。
笹川平和財団の笹川陽平名誉会長は挨拶の中で、「日中両国は2000年以上の文化交流の歴史を誇り、世界的にも非常に珍しい。伝統工芸は、民族文化の宝で、非常に長い歴史の積み重ねが必要だ。そのため、伝承と保護事業をしっかりと行っていく必要がある。本の出版をきっかけに、日中両国の伝統工芸伝承者が手を携え、世界にも影響を与えるような工芸作品をより多く作り上げることを願っている」と語った。
挨拶する上海世久非物質文化遺産保護基金会の陳学栄理事長(撮影・蒋暁辰)。
上海世久非物質文化遺産保護基金会の陳学栄理事長は挨拶の中で、「無形文化遺産の伝承と保護の面で、日本は公認のパイオニアで、モデルとなっていることに疑問の余地はない。中日両国の関係者が3年間をかけて作成した『日本の人間国宝·伝統工芸』は、一粒の種となり、今後永遠に残っていくだろう。中日両国の伝統工芸は共通の価値観と文化的内包を備え、上海世久非物質文化遺産保護基金会と笹川平和財団の協力事業は、両国の伝統文化交流、及び伝統工芸の革新に新しい協力スタイルを提供している。この模索は今後、中日両国の協力関係を新しい次元に押し上げるだろう」と語った。
書籍「日本の人間国宝·伝統工芸」(写真提供・笹川日中友好基金)。
書籍「日本の人間国宝·伝統工芸」は、笹川日中友好基金と上海世久非物質文化遺産保護基金会が共同で実施する中日伝統工芸交流プロジェクトの重要な成果物だ。中国の商務印書館から日本語と中国語のバイリンガル版書籍として出版された。約36万字で、陶芸、染織、漆芸、金工、木工芸、竹工芸、人形、手漉和紙など8分野に分類された伝統工芸と計40種類の技法が収録されている。また、重要無形文化財の技術保持者57人の人間国宝の人物像、代表作品、技術、及び保持団体16団体の代表作品と技術が紹介されているほか、7人の人間国宝のインタビュー記事が掲載されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年10月9日