2023年の中国経済第3四半期(7-9月)報告が18日に発表された。業界ウォッチャーによると、この報告では2つの経済指標が予想を上回り、複数の分野と指標に積極的な変化が見られ、中国経済の持続的に回復・好転する状況がよくわかる。
1つ目の「予想以上」は経済成長率だ。中国国家統計局が発表したデータを見ると、同期の中国の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比4.9%で、市場機関の一般的な予測値を上回った。同局の盛来運副局長も、「第3四半期の中国経済の前年同期比成長率も第1-3四半期(1-9月)の累積成長率も、世界の主要エコノミーの中でトップクラスだ」と述べた。
第1-3四半期の経済成長は安定し回復に向かい、通年の発展目標の実現への着実な基礎が打ち立てられた。国務院参事室の特約研究員で同局の元チーフエコノミストである姚景源氏は、「中国経済は安定的に回復し、積極的に好転し、期待された目標値の5%前後は問題なく達成できるだろう」と述べた。盛副局長はまた、「第4四半期の成長率が4.4%以上になりさえすれば、通年の目標値5%前後の達成は保証される。この目標値の達成には非常に自信を持っている」とした。
2つ目の「予想以上」は対外貿易分野だ。税関総署がさきに発表したデータを見ると、第1-3四半期の中国の輸出入額は前年同期比0.2%減となり、前年同期とほぼ横ばいだった。盛副局長は、「今年はグローバル経済が変動し下振れし、外需が全体として縮小した上に、過去数年間の対外貿易が高い成長率を維持して、比較の対象となる基数が高かったことが加わって、元々今年の対外貿易は大幅に落ち込むことが懸念されていたが、実際の運営状況を見ると、第3四半期の減少幅は大きく縮小し、予想を上回る好調さだった」と率直に述べた。
中国銀行研究院の周景彤副院長も、「第1-3四半期の輸出入は前年同期比やや減少したが、今年のグローバル経済の低迷を考慮し、横方向に比較すると、中国の輸出状況は韓国やベトナムなどの輸出主導型国家よりも明らかに好調だった。これは一方では中国の輸出は製品の構造が比較的整っていること、全体的に優位性が突出していることと関係がある。中国の輸出商品の種類が多く、従来産業があれば設備製造業やハイテク産業もある。他方では中国から『一帯一路』(the Belt and Road)共同建設国やASEANなどの新しい輸出目的地への輸出が急増したことと関係がある」との見方を示した。
このほか、ここ数ヶ月の間に、中国は工業や消費など複数分野の指標が全体的に回復・上昇傾向を示し、特に消費が「バラスト(安定装置)」の役割を果たした。公式のデータによると、今年第1-3四半期には経済成長に対する消費の寄与度が83.2%にも達し、サービス消費がその中の重要な構成要素になり、そして成長ペースも速かった。中国マクロ経済研究院政策決定コンサルティング部情勢研究室の郭麗岩室長は、「7月にサービス小売額データが発表されるようになってからの3ヶ月間近く、同データは常に20%前後の高い水準を維持している」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年10月19日