写真はネットユーザー「一只小猪貝」さんより
最近、ネットユーザーが飛行機から撮影した写真をネットにアップし、「この長~い尻尾は何?」という質問を添えた。
写真を見ると、夜のとばりの下りた暗い海上を、1隻の大型船が出航し、長い航路が光っているように見える。実は、この「大型船」は港珠澳大橋(香港・珠海・澳門<マカオ>大橋)の西人工島で、「長い航路」は同大橋の珠海および澳門の通関地から伸びた橋だ。
香港通関地から伸びた部分の端にも、東人工島と短い橋部分がある。航空写真で見ると、「相手のほうに向かって進んでいる」ように見える。
写真の上部は珠江・澳門通関地、下部は香港通関地。写真はネットユーザー「大叔大薯」さんより
写真の上部は香港通関地、下部は珠海・澳門通関地。写真はネットユーザー「Shawhan」さんより
「相手のほうに向かって進んでいる」航路はなぜつながっていない?
実は、2つの人工島の中間エリアは海底トンネルで繋がっている。全長6.7キロメートル、世界最長の道路沈埋トンネルであり、世界で唯一の深部式沈埋トンネルでもある。
港珠澳大橋は全長55キロメートル、現時点で世界最長の海上大橋であり、海外メディアには「世界の新7大奇跡」と呼ばれている。2018年10月23日に開通し、翌24日に車が通行して運営がスタートした。この5年間にわたり香港特別行政区、珠海、澳門特別行政区の3エリアの政治・文化交流における新たな紐帯になり、住民にエリアを越えた新たな移動手段をもたらした。
この5年間に、同大橋の通関地を経由して広東省、香港、澳門の住民延べ3600万人が往来し、車両延べ750万台が通行した。そのうち広東省に出入境した香港・澳門住民は延べ1980万人で、全体の55%を占めた。
全線が開通して、香港から澳門まで車で40分もかからずに行けるようになり、珠海へも50分以内で行けるようになった。今年は「港車北上」と「澳車北上」の政策(香港と澳門の自家用車の同大橋を経由した大陸部への乗り入れを認める政策)が実施されたのにともない、「香港・珠海・澳門1時間生活圏」がほぼ形成された。
同大橋により、3エリアの住民の往来が極めて便利になっただけでなく、経済貿易の新たなルートも掘り起こされつつある。23年9月末現在、同大橋の珠海道路通関地を経由した輸出入総額は7187億5000万元(約14兆7343億7500万円)に達した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年10月26日