出張で訪れた貴州省安順市にある壩陵河大橋にやって来たG姐。この橋は渓谷エリアにあるメインスパン1千メートル級の橋梁で、同省で初めて橋の内部に入って見学できる橋梁となっている。橋の内部に入るとは一体どういうことなのか?そして橋の「呼吸」とは?
壩陵河大橋(撮影・玄番登史江)。
まずは橋について学ぼう!
橋の内部に入る前に、まずは壩陵河橋頭公園内にある壩陵河橋梁科技博物館を見学して、橋について学んだ。貴州省は大自然に広がる「橋の博物館」と呼ばれるほど橋が多い。この博物館では省内の橋を紹介しているほか、様々な種類の橋の構造についても紹介。イラストや模型でわかりやすく紹介されていて、なかなか楽しめた。博物館を出ると目の前に壩陵河大橋がドドーンと現れる。橋は全長2237メートル、メインスパン1088メートルの吊橋で、上海市と雲南省昆明市を結ぶ高速道路が走っている。2009年12月に開通した後、2019年10月には橋の下から飛ぶバンジージャンプの一般営業もスタート。ちなみにその高低差は約370メートルで、商業用バンジージャンプ施設としてギネス世界記録を更新している。
壩陵河大橋の見学エリア(撮影・玄番登史江)。
いよいよ橋の内部へ!
橋へはエレベーターで一気に上がっていく…と思いきや、エレベーターを降りてから、橋のメイン部分に行くには、まず階段を上って、「ザ・足場」っぽい通路を進んでいかなければならなかった。やや高所恐怖症気味の私としては、この時点でもう全身がムズムズし始めた。しかも、頭上を車両が通過するたびに「ガタコン!」という音と振動が直に伝わってくる。案内スタッフ曰く、「目で見て、手で触って、橋の『呼吸』を感じることができるのです」とのこと。どうやらこの音と振動が橋の「呼吸」らしい…。な、なるほど。足場風の通路の先には、これまた蹴込が無いそこそこ急な階段が!及び腰で手すりにしっかりつかまって降りていく。そしてここからがメインの見学エリア。ありがたいことにこのエリアには全てゴムタイルが敷かれているので、「ザ・足場」感がかなり軽減されている上、先ほどの通路よりは道路から距離があるため、「呼吸」もそれほど気にならない。むしろ左右に広がる貴州の美しい山々に目を奪われ、景色を存分に楽しむことができた。
バンジージャンプは見学のみ
バンジージャンプの料金は3000元(約6万2千円)。日本の場合、遊園地は約3千円、橋などは約1万5千円、日本一高いバンジージャンプで2万8千円(岐阜バンジー、高低差215メートル)だったので、物価なども考慮するとかなり割高。ただ、世界2位の高さを誇る澳門(マカオ)タワーのバンジージャンプの料金を考慮して、それより高い料金設定になっているのだとか。さすがは世界一、料金も納得の高さだ。ただ今回はジャンプする場所を見学するだけ。とはいえ、ジャンプしていいよ?と言われてもその気はゼロなので全く問題なし。眺めただけで足がすくんだ。この他にも空中ブランコやパラシュート、パラグライダーなど各種エクストリームスポーツのアクティビティも打ち出しているので、勇気がある人は試してもいいかもしれない。
壩陵河大橋の見学エリアから眺めた貴州の山(撮影・玄番登史江)。
エクストリームスポーツは苦手!という場合でも、橋の中央部分にはガラス張りのフロアや張り出した休憩テラスなどもあるので、ドキドキしながら視点の異なる景色を楽しむこともできる。高所は苦手なので、確かにちょっと怖かったが、そんな恐怖を上回る絶景だった。(文・玄番登史江)
「人民網日本語版」2023年11月2日