東京上野動物園のジャイアントパンダの様子を撮影し続けていることで知られるパンダ写真家の高氏貴博さんがこのほど、四川省雅安市の碧峰峡基地を訪れ、人だかりの中で背伸びをして、日本から一緒に来たほかのパンダファンと共に、「香香(シャンシャン)」の登場を待っていた。そして、かわいい「香香」が林の中から姿を現すと、カメラを高く掲げて、シャッターを押し続けた。これは高氏さんにとって、パンダを撮影するようになって3371日目の写真となった。新華社が報じた。
「『ニーハオ!中国・安逸四川』――シャンシャンと再会の旅」の参加者は8日、四川省雅安市を訪問し、上野動物園で誕生し、今年2月19日に中国に返還された「香香」と約8ヶ月ぶりの再会を果たした。
中国ジャイアントパンダ保護研究センター・雅安基地で「香香」と再会した「シャンシャンと再会の旅」のメンバー(11月8日撮影、江宏景)。
「シャンシャンと再会の旅」のメンバーの一人である高氏さんは「香香」の大ファンだ。2011年8月に偶然のきっかけで上野動物園にやって来て、たちまちパンダに夢中になった高氏さんは、その日から、毎日上野動物園に来てパンダの写真を撮影し、ブログ「毎日パンダ」にアップするようになった。これまでの12年間、上野動物園の定休日や新型コロナウイルスの影響で閉館していた日以外、高氏さんはほぼ毎日、上野動物園のパンダ舎で撮影し続けてきた。
日本でパンダの写真を毎日撮影し続けている高氏さん(画像は動画のスクリーンショット)。
日本で生まれ、5歳になって中国に返還された「香香」の元気な姿を見て、高氏さんは胸をなでおろし、取材に対して「日本にいる時も、環境が変わると、『香香』は落ち着かない時があった。でも、今ではすっかりこの素晴らしい環境に慣れて、とても幸せそうにしていた」と語った。
中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安基地で撮影した「香香」(11月8日撮影、陳居偉)。
「香香」が東京から帰国の途に就いた今年2月21日の早朝、高氏さんは他のパンダファンと共に、成田空港の展望デッキに集結し、「香香」を乗せた飛行機が飛び立って見えなくなるまで、手を振っていた。その日、高氏さんは涙を見せたものの、「寂しさの涙ではなく、うれし涙。『香香』は中国でもっと素晴らしい暮らしができると知っているから。しばらくは『香香』に会えないものの、永遠の別れではない。必ず再会できる日が来る」と話していた。
2月19日に東京上野動物園で撮影した「香香」(撮影・張笑宇)。
日本のパンダファンの「香香」に対する熱い想いに感謝を示すべく、中国駐東京観光代表処や東京中国文化センター、四川航空は今回、共同で「シャンシャンと再会の旅」を企画。高氏さんの「再会の夢」がかなうこととなった。出発前、高氏さんは取材に対して、「とても興奮しているので、あまり眠れなかった。こんなに幸せなことはない」と話した。そして、当日午前も、雨が降る中、上野動物園へ行き、「香香」の家族をカメラに収めた。これは、高氏さんが上野動物園のパンダを撮影し始めて3370日目のことだった。
中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安基地でパンダの「香香」と再会した 「シャンシャンと再会の旅」のメンバー(11月8日撮影、江宏景)。
高氏さんが雅安市を訪問し、「香香」と「再会」できただけでなく、日本のパンダファンもインターネットを通して、「香香」と再会を果たした。高氏さんが8日、ブログ「毎日パンダ」に「香香」の写真を70枚以上アップすると、ネットユーザーから普段の2.5倍の数のコメントが寄せられた。あるネットユーザーは「なんだか、見ながら泣けました。温かい気持ちの涙です。シャンシャンも頑張ったけど、毎日パンダさんも、日本のファンもこの8ヶ月頑張りましたね。全て報われるようなかわいいかわいいシャンシャンの姿をカメラにおさめてくれてありがとうございます」といったメッセージを寄せている。
高氏さんは取材に対して「『香香』を通して、中国の方と交流できる機会がたくさん増えた。このような交流がますます深まることを願っている。日本人はパンダがとても好きで、中国人も大好き。これは共通の思い。『香香』は日中友好の大切な架け橋で、今後も日中をつなぐ『パンダ大使』としての役割を果たし続けてくれると信じている」とした。 (編集KN)
「人民網日本語版」2023年11月14日