今年で32回目を迎えた国際障害者デーとなった今月3日、北京市で初となる盲導犬訓練基地の除幕式が北京農学院で行われた。基地の建設が本格的に始動したことは、北京市における盲導犬育成が、規範化されながら発展の軌道に乗ったことを意味している。北京青年報が報じた。
北京市盲導犬訓練基地は、北京農学院の農場に設置され、学校本部からは20キロ離れている。基地建設始動後には、犬舍や診療室、処置室、グルーミング室、厨房、倉庫、盲導犬育成スペース、運動、シミュレーション訓練場などが設置される。学校の動物病院や、獣医学(中医学)北京市重点実験室といった複数の学科が盲導犬の科学的繁殖、基本訓練、中医学と西洋医学の結合による医療、社会サービス体系構築のために、全方位的に保障を提供することになっている。
卒業したばかりの盲導犬の引き渡しを受けた視覚障がい者たち(撮影・袁芸)。
同日の除幕式では、張さんを始めとする視覚障がい者の人々に、訓練を終えて卒業したばかりの盲導犬が引き渡された。張さんと出会って24時間も経っていない盲導犬「前鋒」は、静かに彼女の足元に伏せ、彼女の指示を待っていた。張さんは取材に対して、「出張が多い仕事をしている。出かける時は少なくとも2人に付き添ってもらう必要があり、家族にたくさんの時間を使わせていた。これからは盲導犬が最も親密なパートナーとなってくれるので、家族の負担を減らすことができる。このパートナーにとても期待している」とした。張さんや他の視覚障がい者たちは今後、卒業したばかりの盲導犬と、互いに順応するために、1ヶ月間の共同訓練を行うことになっている。
中国には訓練を受けた盲導犬が約400頭おり、うち約250頭がパートナーと生活している。盲導犬ユーザーは26省に分布している。ただ、統計によると、中国の視覚障がい者は1731万人であるのに対して、毎年訓練を受けて卒業する盲導犬はわずか30頭ほどにとどまっている。大きな需要があるものの、盲導犬の育成が追いついていないというのが現状だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年12月4日