山東省日照市の左官職人・申作華さん(54)が、セメントを「半紙」代わりにして書いた漢字が最近、「美しすぎる」と、工事現場だけではなく、中国のネット上で大きな話題となっている。多くのネットユーザーは、書道の練習を30年以上も続けているストイックな申さんをリスペクトするコメントを寄せている。
工事現場で泥だらけになりながら数十年働いている申さんは、仕事が辛くても趣味の書道をあきらめることなく、ハンマーやスコップ、左官コテなどを「筆」代わりに、セメントを墨代わりにして、その練習を30年以上続けてきた。
申さんの父親は私塾に通ったことがあり、書道に造詣が深かった影響で、申さんも子供のころから、書道に興味を持つようになり、9歳の時から、父親に書道を習い始めたという。
時が経つにつれて、申さんの書道の腕はますます磨かれていった。そして、今では、仕事の合間に、ひしゃくやハンマー、スコップ、左官コテなどを使って、セメントの上に字を書き、そのショート動画をネット上にアップしたところ、数千万人が視聴して、「いいね!」をどんどん押している。そして、このセメントを使った書道の達人の知名度もますます高くなっている。ネットユーザーからは、「申さんがスコップで書いた字は、私が筆で書いた字よりきれい」や「達人とはどんな環境に置かれても不満を口にしない」、「お手本にしたいので、書いた字は消さないで」といったコメントが次々と寄せられている。
申さんにとって、書道は単なる趣味ではなく、心のよりどころともなっている。工事現場での仕事はハードであるものの、左官コテでセメントの上に字を書くと、申さんは気持ちが癒され、疲れが吹き飛ぶのだとしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年12月11日