中国とベトナムが包括的な戦略的協力パートナーシップを構築してから今年で15年になる。両国は「一帯一路」(the Belt and Road)共同建設イニシアティブと「2回廊、1経済圏」の連携を加速し、相互接続の利便性を十分に活用し、産業チェーンとサプライチェーンの安定性及び円滑性の維持に力を入れ、経済・貿易・投資協力の水準を不断に高め、経済・貿易関係の質の高い発展を推進して、両国民に一層の幸福をもたらし、経済・貿易協力において実り豊かな成果を挙げている。人民日報が伝えた。
■二国間貿易の急速な発展
近年、中国とベトナムの二国間貿易は急速に発展している。両国間の貿易額は、2000年の24億ドル(1ドルは約145.3円)余りから、2022年には2349億ドル余りにまで増加した。ベトナムにとって中国は長年続けて最大の貿易相手国であり、中国にとってベトナムはASEANで最大の貿易相手国、世界で第4位の貿易相手国だ。一連の経済・貿易枠組みを通じて、中国とベトナムは協力・ウィンウィンの機会を拡大し続けてきた。今年11月、ベトナムは第6回中国国際輸入博覧会に主賓国の1つとして参加。コーヒー、ドリアン、米、ドライフルーツ、手工芸品などのベトナム産品は中国市場への進出を拡大した。
貿易の円滑化は中国とベトナムの経済・貿易協力の一大ハイライトだ。中国の熊波駐ベトナム大使は「将来、中越間の交通インフラの相互接続はますます効率的なものになる。また、通関効率の向上と貿易の円滑化の確保によって、双方間の『ソフト面の相互接続』もさらに強化されるだろう」と指摘する。
■成果著しい投資協力
近年、中国企業は対ベトナム投資を著しく拡大している。中国企業の今年1~10月における対ベトナム直接投資は17億6000万ドルに達した。これはベトナムが経済モデル転換・高度化を必要としていることと合致しており、特にハイテク、情報通信、新エネルギー、グリーン発展、電子商取引物流などの分野は投資が大幅に増加し、大きな潜在力を秘めている。
昨年11月、両国はグリーン発展、気候変動対策、デジタル経済などの分野における交流や協力を積極的に模索し、中越協力の成長分野をさらに増やすことで合意した。現在、多くの中国系企業がベトナムのクリーンエネルギープロジェクトに投資しており、両国間のグリーン協力には大きな余地がある。これは、ベトナムの発展に必要な電力需要を満たすだけでなく、共同の気候変動対策や持続可能な発展にも寄与する。
■深まり続ける地域協力
近年、中国とベトナムは「一帯一路」共同建設イニシアティブと「2回廊、1経済圏」の連携を加速し、相互接続など戦略分野での協力を重点的に推進している。インフラ施設の連結では、両国間の陸・海・空・ネットワークインフラの相互接続性を日増しに整備し、鉄道・道路建設と相互接続計画の推進を加速している。
中国とベトナムは多角的貿易体制を断固として守り、世界貿易機関(WTO)やアジア太平洋経済協力会議(APEC)などの場で協調と連動を強化している。双方は地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の発効と実施を共同で推進し、「中国―ASEAN自由貿易圏3.0」の構築を手を携えて推進し、東アジアや瀾滄江―メコン川の枠組みで協力を絶えず深め、着実なものにし、地域の多国間協力を深め続けている。
北京大学国際関係学部の翟崑教授は「中国とベトナムは、経済・貿易協力によって、両国の比較優位と資源を効果的に統合・活用して、地域及び世界の産業・サプライチェーンにおける両国の競争力を高めると同時に、地域の他の国々の産業の発展とモデル転換を先導し、より緊密で効率的な地域産業ネットワークを形成することができる。これは、中国・ASEAN協力と地域統合プロセスの促進に寄与する」と指摘している。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年12月11日