午後11時、北京西駅と雄安駅の間を運行したC2727号の列車が、一日の任務を終え、検査メンテナンスのため車庫に入った。車両の先頭は厚い氷に覆われていた。
このところ低い気温、雨や雪、凍り付く寒さが続いて、列車の運行に影響が出ているだけでなく、列車運行に関わる点検メンテナンスも困難さが増している。北京南駅の高速列車運用所では点検メンテナンス担当者に新たな肩書「氷除去作業担当者」が加わった。彼らは風雪の中を走った高速列車を温かい車庫に入れ、安全確認のための「健康診断」をする。中央テレビニュースが伝えた
ここ数日続いた降雪により、京滬(北京―上海)高速鉄道や京広(北京-広州)高速鉄道は一部の列車が運休になったが、同運用所の検査作業は減るどころか倍増した。列車が車庫に入ると、まず氷を取り除く作業が必要で、それが終わると検査になるからだ。
氷を取り除かないとどのような影響が出るか。当直責任者の王昌雷さんは、「高速列車の運行状態については高速列車運行故障画像検査システム(TEDS)がある。列車が氷に覆われていると、実際に機械部品をチェックすることができないため、入庫すると、まず氷を乗り除かなければならない」と説明した。
王さんは取材に、「高速列車の氷の除去は、雪が降った後に車を運転する前に雪や氷を取り除くのと似た作業だが、難度はより高くなる。特に車両底部の台車部分は、技術的な要求がより高くなる」と述べた。
王さんと一緒に当直した20人の点検メンテナンス担当者は、手に氷割り棒を持ち、列車がやって来ると最速30分で作業を終える。厚い氷に覆われた列車が来れば、作業には3時間ほどかかるという。
午前1時、また列車が車庫に入ってきた。前日に北京エリアでは100本近い始発列車が運休になり、その中には京滬高速鉄道と京広高速鉄道の復路の列車が多く含まれていた。本来は目的地で検査メンテナンスを受けるが、雪が降ったため北京南駅で臨時の検査メンテナンスを受けざるを得なくなった。
王さんは、「高速列車が安全で定時に運行し、旅客を安全に送り届けるのを保証することが、私たちの仕事だ。家族や学校の友達が列車に乗って、私たちが点検メンテナンスした列車に乗っていると話すとしたら、それはとても誇らしいことだ」と話した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年12月19日