山東省煙台市や威海市などはこのところ豪雪に見舞われている。今月22日午前、威海市文登区では積雪深が74センチに達し、山東省の最大積雪深の記録を更新した。また豪雪のため、現地では交通に大きな影響が出た。
煙台市で雪にすっぽり埋まってしまった車の横を通る市民。
山東半島に位置する煙台や威海は冬になると降雪が多いため、「雪どころ」と呼ばれている。威海出身の男性・劉さんは、「冬になると、威海ではこれまでも大雪になることはあったが、今年の雪は記憶の中でも最もたくさん積もったと思う。例年であればせいぜい20-30センチほど」としている。
楽器屋を経営している劉さんは、「雪の降り方がすごくてたちまち積もった。最初3日間ほど降って、1日止んだものの、また3日間降っているので、音楽教室は休みにしている」のだという。
今シーズン最強の寒波と寒気の影響で、山東半島では12月に入ってから、海水効果雪がたびたび降っている。科学普及人気ブロガーの「中気愛」さんによると、「煙台や威海一帯の雪は特殊な『海水効果雪』で、強い寒気が、上昇してきた海面の暖かい水蒸気とぶつかった時に、水蒸気が直接雪の結晶となり、それが風に乗って岸辺や山の斜面などに運ばれる。この種の雪は地理的位置や地形と密接な関係があり、降る場所は通常、海や湖に面していて、北風が真っ向から吹き込み、山の斜面がある」と説明している。
煙台市で雪かきをする市民。
そして、「海水効果雪は、風雪となるという特徴があるため、視界が非常に悪くなるなど、大きな影響が出る。煙台や威海一帯は、渤海や黄海北部に面し、北風が真っ向から吹き込む。また、市内に山の斜面があり、海水効果雪が降る条件が全て整っている。地理的条件と気象条件は、日本の本州の東北沿岸エリアやバッファローを含む米国の五大湖南部の沿湖エリアとよく似ている」としている。
連日の大雪で冷え込み、美しい雪と氷の景色が広がる威海市の海辺。
ではここ数年、煙台や威海で海水効果雪が増えているのはなぜなのだろうか?「中気愛」さんは、「恐らく、渤海の水温がどんどん高くなっていることと関係があるだろう。今回の寒気はとても強かった。極めて強い寒気が、まだ比較的暖かい海面を通過すると、たくさんの雪が発生する。もちろん、これは仮説で、一つの可能性に過ぎないが、今回の海水効果雪の原因となった寒気は、極めて強かったことは確実で、今シーズンの冬、最強ということができる」と分析している。
公開されている気象資料によると、前回、山東半島がこれほど激しい雪に何度も見舞われたのは18年前の2005年12月のこととなっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年12月29日