韓国のテーマパーク・エバーランドで暮らす韓国生まれのジャイアントパンダ「福宝(フーバオ)」が今年4月に、中国に返還されることになっている。関連の国際規定に基づいて、パンダは中国に返還される1ヶ月前から、30日間の出国検疫を受けるほか、新たな環境に適応するための準備を始める必要があるため、「福宝」の一般公開は3月3日で終了することになっている。新華社が報じた。
2月20日、パンダ「福宝」を見学する来園者(撮影・姚琪琳)。
返還を間近に控え、韓国で「お嬢様」という愛称で親しまれている「福宝」の人気が高まり続けている。エバーランドの統計によると、「パンダワールド」を訪れる来園者の数は1日平均8000人に達している。来園者が殺到しているため、これまでは見学時間に制限はなかったものの、今では一人5分間までに制限されている。
それでも、最後に「福宝」を一目見ようと、多くのパンダファンが押し寄せている。パンダワールドの入口に行ってみると、肌寒く、小雨が降っていたにもかからず、多くの人が傘をさして長蛇の列を作っており、「200分待ち」という表示も掲げられていた。
パンダワールドの中は、大賑わいとなっており、多くのパンダファンがスマホやカメラで、姿や仕草がかわいい「福宝」を撮影していた。ある男性は隣の息子に、「『福宝』を(韓国で)見ることができるのはこれで最後。『福宝』はもうすぐ中国に返還されるんだよ」と話していた。
2月20日、「福宝」ファミリーのイラストを見る女の子(撮影・姚琪琳)。
ありがとう「福宝」!
京畿道平沢市から来たという崔智善さんは、父親の「楽宝」と母親の「愛宝」の間に生まれた「福宝」の写真の前で足を止め、「韓国ではもう『福宝』を見ることができなくなると考えると、涙が止まらなくなる。仕事が忙しいので、しょっちゅう来ることもできない。今日は会社を休んできた。韓国では『福宝』を知らない人はおらず、私のおじいちゃんやおばあちゃんでも知っている」と話した。
エバーランドによると、「あなたに会えたのは奇跡。ありがとう『福宝』」をテーマにした特別お別れイベントを企画しているほか、「福宝」の最後の一般公開となる3月3日に、ソーシャルメディアを通して、ライブ配信も行う計画という。
2月16日、韓国・ソウルの地下鉄駅に張り出されている「福宝」のポスターをスマホで撮影する人(撮影・全休相)。
取材に応じた崔智善さんはカメラの前で目に涙を浮かべ、「『福宝』を見るために中国に行きたい。中国に返還されてからも、『福宝』が引き続き幸せに暮らすことを願っている。韓国での生活を忘れたとしても、『福宝』が幸せならそれでいい」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年2月26日