山東省淄博市のバーベキューブームや黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市のアイス・スノー観光ブームに続き、今度は甘粛省の「麻辣燙(マーラータン、ピリ辛風味の煮込み料理)」が今、爆発的人気となり、各大手ソーシャルメディアの検索のトレンド入りしているほか、ネットユーザーらが次々と「いいね!」を押して、「仕事も勉強も一休み。急ぎの用事があるので、甘粛省の天水市に行きます!」といったコメントを寄せている。
串刺しにされた野菜を自分で選び、スープの表面はラー油で赤く染まり、スパイスの効いた独特な香りを漂わせる麻辣燙が今、中国各地の「食いしん坊」を居ても立っても居られない思いにしている。
そして天水南駅や天水駅は、「準備万端でお待ちしております!」としている。
旅客の円滑な移動のために鉄道とバス・タクシーが連携
天水南駅と天水駅はここ1週間、1日当たりの利用者が前年同期比で約40%増となっている。そのため、鉄道当局は、高まる需要に合わせて、地元の公共バス当局との連携を強化し、利用状況に基づいて、増やしたバスやタクシーにデータを提供してサポートし、旅客が天水南駅や天水駅から「麻辣燙」が食べられる場所に、円滑に移動できるようにしている。
また、天水南駅前広場には、ロッカーが設置されており、旅客はロッカーに荷物を預けておき、身軽にご当地グルメを食べに出かけることができるようになっている。
駅には土産用「麻辣燙」を販売する特設コーナー
思う存分食べることができなかったという旅客は、土産に「麻辣燙」を買って帰ることもできる。他の地域からやって来た旅客向けに、駅には「麻辣燙」の特設コーナーが設けられている。
天水南駅の2階の待合スペースには、「天水麻辣燙」の材料を販売する特設コーナーが新設され、定西寬粉(太いはるさめ)や甘谷トウガラシといった「麻辣燙」には欠かすことのできない材料が並んでいる。また、駅の構内には天水市のご当地グルメや旬の果物を販売する特産品コーナーも設置されている。
「天水麻辣燙」の美味しさの秘密は、甘粛省甘谷県の特産品・甘谷トウガラシにある。色鮮やかで、香りが濃厚であるため、多くの旅客が買い求め、駅構内ではトウガラシの包みを手にした旅客をあちこちで見かけることができる。また、最後にもう一度味わっておこうとテイクアウト用の麻辣燙を購入している旅客も多い。
天水市を訪れる「麻辣燙ファン」のために、同市ではパフォーマーを招き、観光客が天水南駅の駅前広場で、地域の特色あるパフォーマンスを楽しむことができるようにしている。
中国旅游(観光)研究院の院長を務める、文化・旅游部データセンターの戴斌主任は取材に対して、「旅客の胃袋を掴むと、その心を掴むこともできる」と話す。人気となっているのは、ピリッと辛い「麻辣燙」であるものの、実際に人々の心を動かしているのは、この地で体験できる心暖まる素晴らしい体験だ。各地がそれぞれの文化や資源の特色を活かし、観光市場・環境を整え、観光客が喜ぶ土産や商品を準備することができれば、自然と観光客が集まることになるだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年3月21日