江西省の南昌大学に開設されている江西省の伝統劇「贛劇」を紹介する講座が最近、人気を集め、学生たちが撮影した講義の様子を捉えた動画がSNSなどに投稿されて、ネットユーザーの間で大きな話題となり、「いいね!」が次々と寄せられている。この講座は、教室まで走って行かないと一番前の席に座れない人気ぶり。定員200人の教室が座る場所も無いほどで、さらに大きな教室に変えざるを得ない状況になっている。ネットユーザーからは、「もう卒業したんだけど、講義に出てもいいかな」や「全員が顔を上げて講義を聞いている」といったコメントが次々と寄せられている。
人気を集めているのは南昌大学の「贛劇芸術鑑賞」という講座、担当する陳俐さんは、中国の国家無形文化遺産(贛劇)の伝承人で、国家一級俳優であるほか、同大学の贛劇文化芸術センターの主任二級教授も務めている。
陳さんが講義を担当する「贛劇芸術鑑賞」は開設されてすでに何年にもなるものの、以前は人気がなかったため、最近席の争奪戦が繰り広げられるほど大人気の講座になるまでは、知らない人がほとんどだった。
陳さんは、「以前は、講義内容を読み上げていくスタイルでの授業が多かったため、学生たちの反応も薄く、とても静かで、気分を高揚させたり、エキサイトしたりすることはなかった。講義中にスマホで遊んでいる学生も少なくなかった」と振り返る。その後、学生の積極性を引き出そうと、陳さんは、検討を重ね、舞台衣装を着て講義をし、教室を「舞台」に見立てることにした。そして、「水袖」と呼ばれる長い袖を振ったり、舞いの動作を披露しながら講座を進め、学生たちを贛劇の世界へといざなった。そうしたことで、教壇に上がり、陳さんの動作を真似する学生も現れるようになったという。
南昌大学芸術学院の学生・張熙知さんは、「とても斬新なスタイルで、とても美しく、素敵。人気がなかった『贛劇』をこんなに楽しめるとは思ってもみなかった」と話す。
たちまち「時の人」となっていることについて、陳さんは、「全く予想していなかった。学生やネットユーザーの反応を見ると、とてもうれしいと同時に、大きな責任も感じる」とし、伝統劇に対する情熱やこだわりについて、「山や川が美しい生まれ故郷への深い思いや、子供の頃に受けた家族からの影響がその源」とした。
あるネットユーザーは、「これは大学のあるべき姿であり、文化のあるべき姿だ。情熱やイノベーションが伝統に新たな息吹を吹き込んでいる」といったコメントを寄せている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年3月27日