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「小さな荷物」が大きな世界市場を動かす

16:42, August 09, 2024 人民網日本語版

写真提供・取材対象者

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「中国のスマート製造製品が海外で人気に」「自宅にいながらグローバル・ショッピングが楽しめる」……近年、中国の越境ECが勢いよく発展している。現在、毎日約900万個の「小さな荷物」が中国と世界各国の間を行き来し、消費者は「グローバル・ショッピング」をより便利かつ迅速に楽しめるようになっている。

中国の越境ECの急成長を最も良く証明するのが統計だ。過去5年間で、中国の越境EC取引額は11倍以上に増加した。2024年上半期(1-6月)、中国の越境EC輸出入額は1兆2200億元(1元は約20.3円)に達し、前年同期比で10.5%増加した。これは同期の貿易全体の伸び率を4.4ポイントを上回る。2023年の越境EC輸出入額は2018年と比べて2.2倍に増加し、成長を加速している。

■越境ECが売上増を後押しし、海外倉庫により「当日配送」を実現

「現在は国際海運料金が不安定なため、安い時期を狙って迅速に出荷しなければならない」。河北省保定市にある欣海公司の楊佩欽氏にとって、毎朝8時は最も忙しい時間帯だ。在庫の確認、棚卸、出荷などを担う楊氏の熟練した指揮の下、ポリカーボネート製ボードを満載したコンテナが整然と海外へと発送されていく。

忙しい合間を縫って、楊氏が今年上半期のデータを示してくれた。今年上半期の売上は前年同期比で約20%増加し、新製品の受注率は10%上がり、新製品のポリカーボネート製タイルだけで中央アジア市場でのシェアは約30%に達したという。「これは越境ECプラットフォームが、私たちのビジネスに活力を吹き込んでくれたおかげだ」と楊氏は笑顔で語った。

「今日注文すれば、最速で当日中に質のいい中国製品が届く」。多くの海外の買い手はここ数年、中国製品の越境ECショッピングにこんなイメージを抱くようになっている。

中国製品の即日配送の背景には、海外倉庫の存在が欠かせない。海外倉庫は、輸出企業が大量の製品を外国の倉庫に送り、現地販売・配送を行うものであり、越境ECの迅速性を可能にしている。

写真提供・取材対象者

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■産業全体への波及:1台ずつ海外販売することで「自動車産業チェーン全体」の海外進出につなげる

「海外に打って出て、さらに上を目指す」。「メイド・イン・チャイナ」から「中国のスマート製造」へ。今日、ますます多くの企業が海外進出し、革新的な技術を活かして国際市場で発展の機会と無限の可能性を掘り起こしている。

「また新たな注文が入った!ドイツの家電量販店メディア・マルクトが月に2回発注してくるのはなかなかないことだ」と、海信(ハイセンス)ドイツの侯路社長は記者に語った。侯社長によると、先ごろ開催されたサッカー欧州選手権は世界中のサッカーファンを熱狂させただけでなく、大型テレビの海外販売にとっても追い風となったという。

侯社長は、「今年上半期、ハイセンス製テレビの世界出荷シェアは引き続き上昇し、ドイツ市場での累計販売台数シェアは12.9%に達した」と話す。ディスプレー技術の革新により、ハイセンスは今年のサッカー欧州選手権のVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)ディスプレー公式パートナーとなり、審判の判定をより正確なものにする一助となった。侯社長は興奮気味に「私たちの技術が認められただけでなく、そのブランド力が世界的なスポーツイベントで示されたということだ」と語った。

浙江省桐郷市の哪吒汽車(NETA)の生産工場では、スマート生産設備がフル稼働している。プレス、塗装、溶接、最終組立……数十の工程が緊密に進行し、ロボットによる完全自動生産が行われている。その工程には電気駆動、レンジエクステンダー、サーマルコントローラー、インテリジェントドメインコントローラー、セントラルスーパーコンピュータ、スケートボードシャシーなどのコア技術やコンポーネントシステムが含まれている。

NETAの張勇CEOによると、同社の1月から6月までの新エネルギー車輸出台数は1万7687台で、昨年の年間輸出台数をすでに上回り、前年同期比で154%増加した。

「今年は引き続き海外マーケティングウェブサイト、海外ディーラーマネジメントプラットフォーム、ユーザーアプリをアップグレードし、販売・サービス網を拡大していく。1台ずつ海外へと販売することで自動車産業チェーン全体の海外進出へとつなげていく」と張CEOは語った。

中国ブランドが世界中に広がるにつれて、さらに多くの「小さな荷物」がてこの力点のように大きな世界市場を動かしていくだろう。商務部(省)対外貿易局の李興乾局長は国務院新聞弁公室の2日の記者会見で、「最近実施したアンケート調査では、8割近くの越境EC企業が下半期の成長を有望視していた」と語った。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年8月8日