「China Travel」(中国旅行)が海外のSNSで大きな話題になり、中国ではインバウンド熱が急上昇し続けている。ユーラシア大陸の中心に位置する新疆維吾爾(ウイグル)自治区は、外国人観光客にも非常に人気の高い観光地だ。
同自治区文化・観光庁が発表したデータによると、今年上半期(1-6月)に新疆が受け入れたインバウンド観光客は前年同期比120.49%増の延べ229万3300人、国際観光収入は同252.43%増の17億6800万ドル(1ドルは約147.5円)を実現した。カザフスタン、タイ、マレーシアからの観光客がトップ3を占めている。
今や、那拉提景勝地の高山・草原から喀什(カシュガル)の老舗茶館まで、各地の観光ブロックから博物館まで、どこでもよく外国人観光客の姿を見かける。
シニア英語ガイドの秦琦さんは、「現在、インバウンド観光客の新疆での消費が便利になり、人民元を少しだけ持ち歩けばよく、支付宝(アリペイ)でも買い物したり娯楽消費の費用を支払ったりできるようになった」と説明する。
観光業従事者から見ると、新疆のインバウンド熱上昇には、インバウンドと関連がある交通、決済、宿泊などのサービスがより便利になったことが切り離せない背景としてあるのだ。
決済サービスの円滑化の面では、関係当局は海外発行のクレジットカードを受け付け、オンライン・オフラインのシーンでの消費・決済を円滑にするよう推進している。3つ星以上のホテルでは外貨建てカードに対応したPOS端末を全面的に配置し、外貨両替所を設置し、新疆全体のA級観光地でも段階的に外貨POS端末の配置と外貨両替所の設置を進めている。新疆全体の星がつくホテルやAクラス観光地の重点場所に配備されたPOS端末は計1792台、両替所は計65ヶ所に上る。「高額の決済はカードで、少額の決済はQRコードで、どれも使えなければ現金で」などの便利な措置が徐々に実施されている。
また新疆全体でホテルでのインバウンド観光客のチェックイン手続きのさらなる最適化が進められ、待ち時間を少なくして、インバウンド客の宿泊問題の着実な解決をはかろうとしている。外国人の宿泊するホテルと民宿が増加して、観光客にはより快適でより多様な選択肢が与えられることになった。
観光地のチケットの面では、新疆全体でAクラス観光地のチケットのオンライン予約・購入を実現し、観光地の公式アカウント、アプリ、ミニプログラムなどのプラットフォームで、パスポートや外国人永久在留身分証などの出入国に際しての身分証明書に基づくチケットの予約・購入機能を実現し、インバウンド観光客が多く訪れる景勝地では多言語予約インターフェースを開設し、予約の手続きを改善し、予約のプロセスを簡略化した。
交通の面では、「一帯一路」(the Belt and Road)共同建設イニシアティブと西部大開発が踏み込んで推進されるのにともない、新疆は総合的な立体型交通ネットワークを構築し、ユーラシア大陸をつなぐ交通のハブになった。データを見ると、烏魯木斉(ウルムチ)地窩堡国際空港は烏魯木斉とカザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン、タジキスタンなど10数ヶ国・地域を結ぶ20路線余りが就航し、国際定期便は毎週100便以上運航する。今年上半期に同空港から出入国した観光客は同235%増の延べ19万4881人となり、運航した国際定期便は同181.7%増の延べ2600便に達した。
中国観光研究院の予想では、下半期に中国を訪れる外国人観光客は延べ1500万人を超えるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年8月9日