四川省成都市は、第一陣の「国家歴史文化名城」に選出され、「中国10大古都」にも名を連ねている古蜀文明の重要な発祥地。4500年の文明史と2300年以上の都市建設史を誇る。数千年の歴史を誇る文化の発祥地である成都では、特徴的な文化と包摂的な文化環境が作り出されてきた。ピリッと辛くてアツアツの火鍋や、急速に進歩するテクノロジー、世界的にも大人気の中国の国宝・パンダ、リズムの速さとスローライフの絶妙なバランス、伝統と現代のコラボレーションなどが、この都市独特の雰囲気を作り出している。人民網が報じた。
成都の人々に愛されるピリ辛風味の火鍋
「辛味がないと、物足りない」というのが成都の飲食文化の特徴となっている。19世紀以降、トウガラシが中国の西南エリアにおいて少しずつ普及したという記録があるものの、成都の辛いものを食べる歴史はさらに長い。成都は盆地で、気温と湿度が高い気候であるほか、トウガラシの保存にも適しており、さらにそれを適度に食べると、体内の余分な湿気を排出してくれる。
成都のピリ辛風味の火鍋(撮影・張栄)。
ピリ辛風味の火鍋は成都の代表的なご当地グルメで、一種の文化と都市のスピリットだと言える。成都の人々がこよなく愛し、こだわりを抱くピリ辛風味の火鍋は都市の文化的シンボルとなっている。成都市に住む女性・譚怡心さんは、「火鍋を食べることはまるで冒険みたいなもの。一度食べると、病みつきになった友達がたくさんいる。成都の人々と一緒にいればいるほど、彼らを好きになっていくのと同じ」と話す。
テクノロジーが牽引する新たな質の生産力
新たな質の生産力とは、イノベーションが主導的役割を果たし、従来の経済成長モデルと生産力の発展ルートから脱却し、ハイテクと高効率、ハイクオリティという特徴を備え、新しい発展の理念にマッチしている先進的な生産力の形態を指す。テクノロジーイノベーションが、新産業と新スタイル、新たな原動力の誕生を促進し、新たな質の生産力を発展させる核心的要素であることに疑いの余地はない。
成都ではテクノロジーイノベーションが急速に発展している。科創生態島や中国科学院・成都分院、国家スーパーコンピューター成都センターといった、国家級イノベーションプラットフォームが成都に設置され、基礎研究や技術革新、研究成果の実用化までをカバーするトータルチェーンがおおよそ構築されている。
科創生態島に入居しているテクノロジーイノベーション企業・成都睿楽達機器人(ロボット)科技有限公司の張睿睿董事長は、「当社が開発したロボットは5シリーズ、100種類以上で、多くの先進技術を蓄積している。今は、理解と推理、実行する能力を備えたヒト型ロボットの開発を進めている。将来、幅広いシーンに応用できるだろう」と語る。
成都睿楽達機器人科技有限公司が開発したEV車充電ロボット(撮影・張栄)。
世界的人気を誇る国宝のパンダ
中国の固有種・パンダは主に、四川省や陝西省、甘粛省の山地に生息している。成都市成華区に位置する成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地の敷地面積は3.07平方キロで、世界でも有名なパンダ科学研究・繁殖拠点と科学知識普及・教育拠点、文化観光拠点となっている。
ジャイアントパンダ繁殖研究基地に足を運ぶと、世界各地から来た観光客を目にすることができる。あるロシア人観光客は、「ここには、パンダにとって快適な環境が作り出されている。ここで見たパンダは想像以上にかわいかった」と話していた。
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地で暮らすパンダ(撮影・張栄)。
成都ジャイアントパンダ繁殖基地は日本や米国、スペイン、フランス、ドイツ、デンマークなどと、「パンダ長期国際協力繁殖計画」を実施している。2023年の時点で、国際協力により、パンダの出産に25回成功し、合わせて37頭が生まれた。温厚でおとなしい性格のパンダはすでに、成都が世界に進出する際の輝く「名刺」となっているのだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年8月27日