中国には、病気を予防するために「春捂秋凍(春は厚着、秋は薄着に)」ということわざがある。春の初めは気温が少しずつ上がるが、慌てて薄着にせず、適度に厚着をするのに対して、秋の初めは少し涼しくなったからといって、急いで厚着をするのは控えて、適度に薄着にするようにしたほうが、健康によいという意味だ。今月22日に二十四節気の14番目「処暑」を迎え、少しずつ涼しさを感じるようになり、日中と夜間の気温差も大きくなり始めている。では、どのようにその人に合った形で、理にかなった薄着をすれば良いのだろうか?人民日報が報じた。
中国中医科学院西苑医院肺病(呼吸)科の樊茂蓉主任医師によると、秋になると涼しくなり、中医学でいうところの体の「陽気」が少しずつ弱くなり、「陰気」が強くなってくる。この時期に薄着でいると、徐々に寒さに耐える体を作り、「陽気」を体内に貯め、「陰気」を養うことができる。
ただ薄着といっても、むやみに体を冷やすのではなく、気温が下がるにつれて、着る服を徐々に増やしていくべきだ。樊医師は、「秋の初めは、まだ暑さが残っている。気温が15度から20度ぐらいになると、朝晩は涼しくなる。でも、慌てて厚着になるのは禁物。中秋節(旧暦8月15日、今年は9月17日)の前後になると、気温が下がり、涼しくなるものの、寒いというほどではなく、『秋の薄着』に最適の時期となる。特に青年や壮年は、体温が上がって汗をかくと、『陰気』を消耗してしまうため、厚着は避けたほうがいい」とアドバイスする。
ただ、秋が深まってくると、日中と夜間の気温差が激しくなり、朝晩の屋外の気温は10度以下にまで下がるため、薄着は終わりにしたほうがいいので注意が必要だ。特に、秋から冬への変わり目には、寒気の襲来が増え、薄着を無理に続けると、病気を予防するどころか、逆に体調を崩しやすくなってしまう。
また、慢性呼吸器疾患や心疾患、脳血管疾患の患者、寒がりの人、手足が冷えやすい人、お腹を壊しやすい人など、虚弱体質の人は秋でも薄着は避けたほうがいい。
この他、頭や首、おへその周り、ひざの関節、足などは冷やさないように注意する必要がある。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年8月30日