1粒のアフリカ産コーヒー豆がはるばる海を越えて中国にたどり着くまで、どれくらい時間がかかるだろうか。
湖南省長沙市でコーヒービジネスを手がけて25年になる景建華さんは、「5年前なら3ヶ月以上かかったが、今では1ヶ月か、もっと短い時間で到着する」と話す。
アフリカ産コーヒー豆の海上輸送にかかる時間が短縮された背景には、中国・アフリカ間の経済貿易往来が盛んになり続けていることや、中国がアフリカに対して一連の貿易円滑化措置の実施を加速したことがある。
データによれば、中国は15年連続でアフリカの1番目の貿易パートナーという地位を保っている。今年は中国・アフリカ貿易がさらに次のステージに進み、2023年に貿易額が2年連続で過去最高を更新したのに続き、今年1-7月の中国の対アフリカ輸出入額は1兆1900億元(1元は約20.2円)に達し、同期の過去最高を更新した。
中国・アフリカ貿易規模の持続的拡大には、中国がアフリカ産農産品に向けた「グリーンルート」を開通し、検疫検査における「即時申告・即時検査」、優先的検査・グリーン検査ルートを実施したことが大きく関わっている。これと同時に、中国・アフリカ経済貿易博覧会、自由貿易試験区などによって、より多くのアフリカ製品が「東向きの追い風」に乗って中国の市場へと運ばれた。コーヒー豆もこうした製品の1つだ。
現在、中国のコーヒービジネスには極めて大きなポテンシャルが潜む。「2024年中国都市コーヒー発展報告」によると、23年の中国コーヒー産業の規模は2654億元に達し、コーヒー産業の直近の約3年間の年間複合成長率は17.14%となり、予想では24年の産業規模は3133億元に達するという。
創業25年の玖秀精品荘園コーヒーの創業者である肖雍琪さんは、「コーヒーは今、中国の飲料品市場の中の成長産業となっている。アフリカ産コーヒーは種類が豊富で、地域的な特色が鮮明であり、全体としてスッキリした味わいで、花や果物の香りも感じられ、多くの消費者に好まれている。玖秀コーヒーでは、アフリカ産コーヒーが売り上げの半分を占める」と話す。
中国林業・環境促進会コーヒー産業分科会の孟東煒事務局長は、「協力を通じて、アフリカ産コーヒー豆は中国で安定した市場販売ルートを獲得し、アフリカ現地経済の発展を促進するようになった。双方の技術協力もアフリカのコーヒー栽培技術の向上を支援する上で役立っており、加工条件を改善し、製品の付加価値を高め、アフリカコーヒー産業の現代化を後押しした」と指摘した。
柑橘類、アボカド、トウガラシ、ゴマ……コーヒー豆以外にも、多くのアフリカ製品が中国各地の商業施設の商品棚に並ぶようになった。中国税関総署統計分析司(局)の呂大良司長は、「中国・アフリカ経済貿易協力が日増しに緊密になり、中国はより多くの『メイド・イン・アフリカ』を必要とし、アフリカもまたより多くの『メイド・イン・チャイナ』を必要としており、双方の貿易の発展の見通しは明るい」との見方を示した。
中国アフリカ研究院経済研究室の楊宝栄室長は、「中国とアフリカの人口を合わせると世界の総人口の約3分の1になり、中国とアフリカが協力する市場は世界最大の市場と見なされている。現在、双方はともに産業高度化と工業化という差し迫った課題に直面しており、こうした状況が建設や工業生産など多くの分野の市場ニーズをさらに活性化するとみられる。同時に、中国・アフリカの経済面の高度な相互補完性を踏まえ、中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の枠組内において、双方が経済貿易協力の新たな可能性をより多く切り開くことが期待される」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年9月6日