デジタル出版が現在、中国の「文化産業圏」において新旋風を巻き起こしている。中国のデジタル出版産業の規模が2023年、前年比19.08%増の1兆6179億6800万元(1元は約20.4円)にまで拡大し、オンラインアニメ・漫画といった新たな分野が急発展している。
第14回中国国際デジタル出版博覧会が9月21日、海南省海口市で開幕した。中国新聞出版研究院が発表した「2023-24中国デジタル出版産業年度報告」によると、中国のデジタル出版産業は継続的に質の高い発展を促進し、デジタル化が「エンパワーメント」し、本格志向で、インターナショナル・スタイルの新たな活力が引き出されている。
中国国際デジタル出版博覧会では、中国初の国産AAAゲーム「黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)」が注目を集めた。また山西省の展示ブースでは、同ゲームの主人公キャラである「悟空」が訪れたゲームのロケ地をテーマに、同省の古代建築や歴史・文化遺産を紹介する出版物を中心に展示し、「悟空」と一緒に記念写真を撮影できるコーナーが人気を集めている。
中国新聞出版研究院の魏玉山院長によると、中華の優秀な伝統文化はすでに、オンライン文学やアニメ・漫画、オンラインゲームといったオンライン文化の形態において重要な要素となっており、国産品のトレンド「国潮」が現在、人気を集める作風となっている。
オンライン文学の規模もさらに拡大している。昨年末の時点で、オンライン文学の読者は過去最多の5億3700万人にまで拡大した。
オンライン文学の海外市場の規模は40億元を超え、世界の200ヶ国・地域をカバーしている。中国が独自に研究開発したオンラインゲームの海外での売上高は4年連続で1千億元を超えた。その他、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)の海外展開も急成長の段階に突入し、そのグローバル化の波に溶け込んでいる。
報告によると、過去1年、中国のデジタル化商品の版権の輸出がさらに活発になっており、カバーエリアが拡大の一途をたどっている。オンライン文学やオンラインゲームが、文化の海外進出の先陣を切り、それが描き出している中華文化の「中国の名刺」としての役割がより大きくなっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年9月23日