子供の頃から「両面刺繡」である「蘇繡」を学んだという刺繍職人・陳英華さんは、これまで40年以上「蘇繡」の制作を続け、故宮博物院や頤和園の刺繡文化財のレプリカ制作に携わった経験もある。そんな陳さんは2003年、ある星雲の写真を見て深く感動し、星空に魅了されるようになった。そして、数十種類の新しいステッチを編み出し、ステッチを十数万回繰り返してリアルでロマンチックな星雲を描き出してきた。その「かに星雲」や「太陽黒点」といった作品を見た天文学者は絶賛する声を上げたという。ファンタスティックな星雲を描き出すために、最も細かい部分では、シルクの糸を32分の1に割いて、縫い上げているという陳さんは、「食事をする時間を忘れるぐらい刺繡が大好き。大好きな刺繍を80歳まで続け、伝承していきたい」としている。(編集KN)