浙江省杭州市では清明節(先祖を祭る中国の伝統的な祭日、今年は4月4日)を前にして西湖エリアで龍井茶の茶摘みが始まり、人工知能(AI)による画像認識機能や茶葉を摘めるロボットアームなどを備えたスマート茶摘みロボットが複数台「出勤」して、新茶を摘んでいる。中国新聞網が伝えた。
茶摘みの作業では、ロボットがアームを動かし、摘んだ茶葉を一時保存ボックスに入れている。ロボットによる茶摘みは茶葉を切り取ることと吸い込んでボックスに送ることの2工程からなる。アームは末端に小さなナイフがついており、位置情報に基づいて一芽一葉の葉柄を正確に見つけ出し、ワンカットで茶葉を枝から切り離す。同時にアーム末端の負圧ホースがカットされた茶葉を吸い込んで一時保存ボックスに送り込む。
これは浙江理工大学農業用ロボット・設備イノベーションチームが約5年かけてアップデートを繰り返して開発した、茶葉の芽の状態を識別できるスマート茶摘みロボットだ。今年登場したのは6代目にあたる。
昨年の5代目ロボットと比較すると、バージョンアップした6代目はハンド部分の動きのプログラムがかなり向上しており、それぞれのハンドが役割を担い、協力しあって茶摘み作業を終えられるようになっている。端末の設計でも大きな進歩があり、人の茶摘みの動作を完全にシミュレーションして、正確で無駄のない茶摘みを実現している。
「人の茶摘みの動作をシミュレーション」することは一見すると簡単そうに見えるが、茂り合った茶葉の中から一芽一葉の柔らかい芽を認識するには、茶摘み作業員でも豊富な経験が必要となる。このロボットはAIの力を借りて、膨大な量の画像データの学習やビッグデータのアルゴリズムなどの技術を通じて、柔らかい芽の自動認識を実現したとともに、ロボットアームをコントロールして茶葉を正確に摘み取ることを実現した。
説明によると、全面的にバージョンアップした6代目スマート茶摘みロボは、5代目より作業効率が50%アップし、ロボット1台で人の1.5人分の働きをするという。つまり、1台のロボットで1.5人の作業員の代わりになり、1日に750グラムの茶葉を摘めるということだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年3月28日