中国では都市の不動産融資調整メカニズムが実施され、効果が出始めており、多くの不動産プロジェクトに、「恵みの雨」となる資金が調達されている。最新データによると、1月にメカニズムが実施されて以来、商業銀行の内部の審査手順に基づいて審査され、「ホワイトリスト」に認可されたプロジェクトに対する融資額は9350億元(1元は約21.7円)に達し、プロジェクトが計画通り、品質を保ちながら引き渡されるよう促進している。
5月17日に、中国全土で不動産引き渡しが確実に実施されるよう促すビデオ会議が開催されて以降、不動産関連の政策が続々と発表され、それに合わせて、各地がそれぞれ施策を打ち出し、その効果が現れ始めている。
上海が5月27日に発表した通知は、不動産の購入制限政策調整、最適化、住宅ローン関連の政策最適化など、9項目の政策と措置を打ち出している。広州と深センは5月28日、個人の住宅をローンで購入する場合の頭金の割合を引き下げたほか、住宅購入制限政策、住宅ローン関連の政策をさらに最適化するなどの措置を相次いで打ち出した。
重要な政策が次々と予想を上回る形で打ち出されたことで、関連当局や地方政府の不動産市場を回復させるという決意を表しており、市場により積極的なシグナルが放たれているといった声が挙がっている。
関連機関のデータによると、多くの都市の新築住宅の見学数、中古住宅の内見数が回復している。週末となった5月18日と19日、25日と26日、北京の中古住宅の取引件数はいずれも約2000件に達し、市場のアクティブ度が目に見えて回復している。5月18日と19日、深センの大手機構の中古住宅の内見数は前週比で24%増、取引件数は前週比で58%増だった。
不動産企業の融資環境もやや改善している。5月23日、不動産大手・万科は200億元のシンジケートローンを獲得した。不動産業界が踏み込んだ調整に入って以来、金融機関が不動産企業に提供した1回当たりのシンジケートローンとしては最大の契約額となった。万科は「200億元の融資を受け、流動性がさらに向上する」と期待感を示している。
全体的に見て、20年以上の急速な成長期を経た中国の不動産業界は今、調整期に突入している。調整により、遅れた生産能力が淘汰され、不動産企業の以前の持続不可能な発展スタイルから、「方向性があり、安定し、プロフェッショナル」なスタイルへの移行を促進し、高品質、新テクノロジー、優れたサービスで国民がより良い住宅に住むよう働きかけ、不動産発展の新スタイルが構築されると見られている。
また、中国の戸籍人口都市化率はまだ50%に達しておらず、出稼ぎ労働者1億8000万人が都市において完全には市民化できておらず、都市で不動産を購入している出稼ぎ労働者の割合も低い。現有の不動産の在庫数を見ると、90平方メートル以下の中・小規模型の不動産が依然として大多数を占めている。そのため、新型都市化の継続的な推進により、住宅をめぐる住民の硬直的需要と、改善性需要が継続的に引き出されることになると見られている。
関連政策が実施され、効果が出始めるにつれて、不動産市場の需要と供給の構造はさらに好転し、不動産業界は今後、安定して質の高い発展の軌道に乗り、安定したマクロ経済の基盤に強固な下支えが提供されるようになると期待されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年6月4日