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古今が融合し、多文化が共生する「彩の国」埼玉県——大野元裕・埼玉県知事インタビュー (2)

ポストコロナ時代の中日協力の新たなチャンス

「スポーツ観光」も埼玉県の特色の一つだ。「埼玉スタジアム2002」は「2002年FIFAワールドカップ」の会場として建設された大型スタジアムで、6万2300人を収容でき、サッカーの聖地として、日本でも非常に高い人気を持つ。大野知事は、「昨年、浦和レッズは中国の恒大などとAFCチャンピオンリーグで試合をした。今後、ぜひ中国代表チームとワールドカップで、もしくはクラブチームのワールドチャンピオンを争っていただきたい」とした。

サッカー競技場のほかにも、埼玉県にはラグビー競技場もあり、昨年のラグビーワールドカップ2019日本大会でも熊谷が会場となった。来年に延期された「東京2020オリンピック」でも、実は4つの会場は埼玉県にある。大野知事は、「そういった意味でも、中国との交流のみならず、ぜひ幅広くやりたいと思っている」と述べ、「埼玉県では一昨年卓球のプロチームもできた。『お兄さん』である中国チームにぜひ埼玉県に来てほしい」と特にコメントした。

多文化共生を推進 中国各地との協力深化に期待

首都圏に位置する埼玉県には、多くの外国人も生活している。大野知事は、「2020年6月の時点で、埼玉県には19万7千人の外国人が居住している。これは県民の37人に1人は外国人ということになる。そのうち、中国人は約7万6千人で、数で言えば、東京に次ぎ2番目に多い」と埼玉県の状況を紹介。さらに、「私はもともと外交官だったということもあって、『世界のSAITAMAプロジェクト』の中で共生・共存することをぜひ実現したいと思っている。そのために、コミュニケーション、互いに触れ合うことができる文化的な社会を理解することがとても大切だと思う」と語った。埼玉県での中日民間交流については、「埼玉県では、川口市、特に西川口に中国の方が多い。その地域のある団地では、住民の約半数が中国人。新しく入ってきた中国人に、先に住んでいた中国人が生活ルールを教えたり、日本人住民向けに中国語教室をやったり、日本人と協力しながら一緒にお祭りをやったり、そういったいわゆる社会生活を一緒に楽しもうというモデルが出来上がっている」と語った。

中国との協力と交流について大野知事は、「1982年10月に、山西省との間で友好県省締結に関する協定書を交わして以来、環境分野では研修生受け入れ、医療分野では県立病院での医療衛生技術研修医受け入れ、教育分野では相互派遣を行っている。例えば2007年から2019年まで、日本の若者43名が山西大学で勉強した。また逆に山西医科大学の学生67名が埼玉県立大学で勉強してもらった。こういったたくさんの交流が行われている」と述べた。 

人民網の取材を受ける埼玉県の大野元裕知事(撮影・呉穎)。

大野知事はコロナ下での交流についても触れ、「昨年8月には楼陽生・山西省長(現山西省委員会書記)が来県し、親交を深めたところだ。本来であれば、私も行って答礼したかったが、新型コロナウイルスという状況にあって、相互に行き来することはできなかった。しかし、この間にはマスクを相互に譲るなど、相互に助け合った。地域間の交流が本当に大切だということを痛感した」と語った。知事はさらに、「2年後、2022年には友好締結40年になる。その時には、先ほど言ったような関係だけではなく、そこを踏まえて、さらに幅広い分野で積極的に交流していきたいと思っている」とした。

大野知事は最後に、「埼玉県は中国のすべての省・市と、経済や観光、スポーツなどの各方面で交流を行う機会があることを願っている。コロナが収束した後、もっと多くの中国人に埼玉県に来てほしい」と強調した。 

「人民網日本語版」2020年12月11日