英国バーミンガムにある縦騰集団傘下の谷倉海外倉の倉庫内では、フォークリフトが行き交い、自動仕分け装置が整然と稼働している。現在、谷倉の英国倉庫では、1日あたり最大18万件の注文、年間コンテナ4万個近くの入庫を処理できる。縦騰集団の李聡副総裁によると、谷倉海外倉の保管面積は世界全体で計100万平方メートルを超え、すでに世界30ヶ国以上をカバーし、6大陸に及ぶ越境EC物流網を形成している。
現在、中国の海外倉庫は2000ヶ所以上あり、その総面積は1600万平方メートルを超え、業務範囲は世界に広がっている。
中国倉庫・配送協会越境EC・海外倉庫分会の周武秀事務局長によると、海外倉庫は越境ECの海外展開に伴い発展しており、北米や欧州など越境ECの業務量の伸びが速く、物流インフラがしっかりしている地域が海外倉庫設置地の第一選択肢となっている。中国の貿易相手国の多様化に伴い、海外倉庫の世界展開も徐々に拡大している。
新興国市場を積極的に開拓し、「一帯一路」建設に参加する企業もある。中建材集団輸出入有限公司は建築資材の越境ECプラットフォーム「易単網」を積極的に立ち上げると同時に、アラブ首長国連邦のドバイ、ベトナムのビンズオン、パキスタンのラホールなど沿線国に海外倉庫を6ヶ所順次建設。越境ECと海外倉庫が協働発展し、中東、アフリカ、東南アジアなどをカバーする海外倉庫網を構築した。
今年1月1日、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が発効し、世界経済の3分の1近くを占め、極めて広大な発展の余地を持つ超大規模市場の形成につながった。
「ここ数年、ASEANは中国にとって最大の貿易パートナーとなり、ASEAN諸国の越境EC市場は急速に発展している。RCEP発効後、加盟国間の貿易コストはさらに下がり、ASEANは中国の貿易成長にとって新たなブルーオーシャンとなる」。汎鼎国際集団の陳柏華総裁によると、同集団は現在フィリピン、オーストラリア、日本などRCEP加盟3ヶ国に海外倉庫を所有しており、2022年にはマレーシアやインドネシアなどASEAN諸国で海外倉庫建設に投資する計画だ。「我々は引き続きRCEP加盟国の市場環境に注目し、これを評価し、さらに多くの海外倉庫の建設に一層力を入れていく」と陳氏。
2021年11月、ベルギーのリエージュ空港で、ツァイニャオ(菜鳥)スマートロジスティクスハブの航空貨物ターミナルや配送センターを含む3万平方メートルを超える第1期プロジェクトの運用が正式に始まった。スペインでは、ツァイニャオ・マドリード海外倉庫の面積を3万平方メートル以上に拡張し、在庫規模を200%以上拡大した。